<2594>「空白に、水を敷く、あたためて抜ける」

 世界の中に、身体を置いて、

 いまは、

 まったく静かではないですか、

 なんにも起きて、

 いないのではないですか、

 あなたも、

 招んでいないのではないですか、

 あたしは空白の場所に出たと、思っています、

 それが現在ということ、

 後で意味を持つものも、

 まずは、

 空白として、経過する必要があります、、

 

 あたしはそこに身体を置き、

 何か手を加えています、、

 ひとつひとつをそこに置き、、

 あたしは零の場所、、

 とても静かであるという以外には、

 なにともあらわしがたい場所へ、

 しずかにいます、、

 あなたはたしかに声がする、、

 あなたはたしかに底の方へ伝う、声がする、、

 あなたがそこにあらわれても、

 あたしはリアクションをもたないだろう、

 起きることは、

 いずれにしろ、起きるからで、

 起きないことは、

 どこまで行っても起きないから、、

 私は身体に水を足す、、

 身体は水を使う、

 いらなくなったら捨ててしまう、

 捨ててしまうものはみな、

 にぎやかな音の場所へ出て、

 そこも抜けると、

 ふたたび沈黙の場所へ着く、

 そこにきて、

 ようやく私の身体と、おんなじものになって、

 ゆるやかな息をはく、、

 

 あたしが物事を、

 理解していないというおもいをいだくのに、

 私は次々と事を進めてしまう、、

 からだには、

 いくつもの層が、積み重なっており、

 水は、

 どの層も経過する、

 だから、

 この呼吸の水分のなかには、

 わたしの幼児期の不安も混じり合っていて、

 その苦さを味わう朝に、

 太陽の光線もまた、混じります、

 あたしはあたためられていって、

 このヒのなかに、

 あたしの死んだ成分も、混じって、

 それがあるヒの 空白の、

 下地として、

 用意されて、いるのかしら・・・