<2593>「少しも悲しくないので、言葉たちのなかに、あなたの光を見つめます」

 あたしはこんな細い道を、

 歩いてきたのだろうか、

 道には、何の音もない、、

 ただ、あたりまえに、そこにあるだけで、何も、、

 わたしは方々へひろがり、

 存在で、

 この道を一杯にしてみる、、

 振動する、

 この音はきいたことがない、

 私も、鳴らしたことがない、、

 身体から、はずれたのか、

 なにが、、

 わたしが、

 そんなはずはないだろう、、

 

 ある、

 こんなところにも存在は、

 私はどこ、

 こんなところに落ちていた、、

 核は、

 私がふれているところ、、

 すぐ分かるところへ、

 置いてあったんですよ、、

 ですから、

 使ってください、

 なにを、、

 あなたの持っているもの、

 私の持っているもの、、

 私が持っているものはなんだろう、、

 一体何だろう、

 少しも悲しくない、

 前、

 それもちょっと前まで、あんなに悲しかったのに、

 今は悲しくない、

 なぜだろう、、

 私は言葉ではないから、

 からだの内管の、

 そのいきおいのなかに、、

 いくつか泡のように浮かぶ、

 あなたの言葉たちを見つめます、、

 

 感情が、ない人間、

 感情が、ある人間、

 眠い人間、

 電車で、帰っていたこと、

 平気で乗り過ごしていたこと、

 あなたは、

 今の私と同じように、

 余裕がなかったと思う、、

 先へ来たからではないのだね、、

 あなたが、

 その光をじっと、見つめているのを、

 今も私は借りています、

 遠くに、遠くに届けとは、思わなかったろうと、

 ただ、

 遠くに届いてしまうことが、

 はっきりと分かったのだよね・・・