15分弱の短い作品だ。
場所はバングラデシュのダッカ。
肉体労働に従事する人々の、独白をバックに、その労働のさまが映される。
その単純な繰り返し。うんざりするほど、はてしない繰り返し。
身体がもたない。怪我をする。治ればまた復帰する。
機械にさせられている、という意識。
機械より上手く働いている、という意識。
無限にも思える、単純作業の繰り返しは、人間の頭を空にする。
うんざりする人々のもとに、労働の響きだけが届く。
すると、それは音楽になる。
誰かが歌い出す。
私も続く。
彼らも続く。揺れる。
機械化していることの無限の興奮。
連帯。
汗をかく。
かわききった音楽よりもう気持ち一枚かわききった労働の音楽。
それがあるので、私は、心底うんざりするというその感覚を共有しながら、同時に興奮し、好きで是非やりたいとは言わないかもしれないが、この日々の単純労働の絶望的なよろこびを想う。
今のところアジアンドキュメンタリーズで一番好きな作品かもしれない。