<2463>「ひとつの仕事」

 あなたは死んで

 しばらくして、母体になった

 

 母体の上を、

 人夫が掃いて行く

 人夫は呼吸をしていない、

 

 私はただ奥の点に、

 身体を合わせていた、

 

 身体に 死を 掃き

 人夫は 地上を 込める

 

 地上は 身体と 人夫と 私と

 母体とで

 ひとつの流れる液だ

 

 私が裸だからだろうか、

 液も、粒も、血も、土地も何もかも、

 完全に沈黙している、

 

 揺れる 音が 水の

 人夫に 響き

 感情の

 底を 拾う 私は 彼の

 汗の

 なかの 日々に

 

 静かに着く

 着けば、忘れ、食い、眠り、

 死ぬ。

 身体は 掃き 母体を

 待つ 人夫を

 私は 歌う