<2441>「『縄文にハマる人々』~アジアンドキュメンタリーズ」

 

 縄文時代。今のこの2000年ぐらいの、その前にあった、1万年ぐらい続いた時代の話。

 

 岡本太郎さんのドキュメンタリーを見て、こっちに流れて来た訳ですが、太郎さんは、火焔型土器を見て爆発したみたいですね。うん、魅力的だものね。

 

 こういう縄文の人々がいて、こういうものを作って残していた。人間に対する信頼感みたいなもの、元気みたいなものが湧いてくると言います。そうだな。

 

 なにしろ縄文時代というのがあんまり昔なもんですから、よく分からないことが多い。

 

 その分からなさ故というか、このドキュメンタリーの中では、どう見てもちょっと危なそうな、トンデモな人たちも出て来ますが(それもまた面白い)、いとうせいこうさんや、『塑する思考』などを書いた佐藤卓さんなども出て来るのでそこはご安心を。

 

 せいこうさんは、現代の文化は視覚ばかりに頼っていると考えているようです。

 それで、反対に、縄文土器を、実際に持ってみたときの、その軽さに驚いたと。

 エレガンスだと。

 せいこうさんにとって縄文人とは、ユーモアがあって、なんか、頭が良すぎる人の言っていることがよく分からないみたいな気持ちと近い気持ちになる相手なんだそうです。

 

 ほかには、縄文の住居では、子どもの墓を地下に作っていた話。

 住居のなかからだと、現代建築のように草の根を見下ろすのではなく、見上げる形になる話。

 狩猟でいつも同じ場所に参じているのだけれども、場所と私との関係がどんどん変化していって、違うものに変わる。それは言葉にならないんだ、という話などなど。

 

 不思議な、渦を巻く、渦を巻く世界。

 

 縄文の渦がなんなのかを突き止める研究の道に入った先輩がいたんだと、出演者のなかの1人が語ります。

 今ならその先輩に、やめなさい、と言うでしょうなあ、と豪快に笑う。

 だってそこに答えなどないから。

 

 答えはないけど、私たちに繋がっているもの。

 こういう時代を持っていたのなら、まだまだ私たちも大丈夫だと思えるもの。

 こういう時代から大分遠ざかって、そんなことで私たちは大丈夫かと考えてしまうもの。

 縄文時代とは、そういうもの。