<2378>「『水分れ、そして水隠れ』内の痕跡」

 

poetess21.hatenablog.com

 

この記事を見、読みたくなったので、購入しました。

 

と、いきなり余談ですが。

読みたくなったので、と言いましたが、皆さんは、詩集をすいすいと読めますか?

 

私は読めないです。詩が好きで、書くのも好きなのに、読めないんです。

何か、捉えどころがないというか、読んでいてもスルスル滑っていくというかで。

 

それで、詩集ってどう付き合ったらいいもんかしらねえ、などと考えて、ちょっと筆写をしてみたところ、これが、いままで読めなかったのは何だったのだ、というぐらいに、文字が、作者の身体が、ずるずると私の中に入ってくるではありませんか。

 

爾来、詩集はただ読むのではなくて、筆写をすることにしています。

 

 

以下、感想というよりは、私が本のなかに残した書き込みをば。

 

・目次

 下の余白に、

「水、灰色、霧、溶ける、記憶の中」

「置いていかれた水の 放られたものに、熱が溜まる、水が、なまあたたかさを持って出てくる、、」

とあります。

 

・「泳ぐ男」

私はこの詩集のなかで一番好きですね。余白には、

「実現の空想?」

「人間が溶けている すさまじくやわらかくて 灰色のイメージ」

「水面がグラグラ揺れますよね、そこに永続的に人が 溶け続けていくんです」

とあります。

 

・「塔屋にて」

余白には、

「風へのおそれは 何、 言葉にすることができる・・・?」

「死 到着 屋上?」

「置いていかれたものが だんだん水の重みを持って、事象の中に沈み込んでいこうとしている」

とありまして、

『皮膚をなまあたたかく光らせている』

『生きていることは記憶に耐えていくこと』

『強い風』

の文字列に丸囲いがしてあります。

 

・「扉を閉ざして、人々は」

書き込みはなく、ただ、

『雨の日は言葉が湿ることが気がかりだ』

という一文に線が引かれています。

 

こんなところでしょうか。

 

詩集との付き合いに関しては、筆写という方法を手に入れた訳ですが、まだまだ模索中ですね、評論や小説を読むときのようにはまだまだ行きませんですからね。