<2425>「大沈黙の室」

 あなたはひとりの室に

 冷気とともにひったりとはりついていました。

 それがあなたの生の初めです。

 あなたは呼吸のはじめに、

 身体を全部吐いてしまいました

 それがあなたの戸惑いの初めです

 時空の初めに、

 あなたは水の声を聴き、

 総則とともに、、

 なまぬるい温度で、

 どろどろになって出てきた、、

 私が今居たら、、

 この声はどんなになるでしょうね、と言って、

 とっても嬉しそうな、その人、、

 溶かしている、

 溶かして、溶かして、溶かしている、、

 

 ある身体の初め、、

 私は声に出す、、

 身体ごと声に出す、、

 時刻を見つめる、

 なんだ、身体が、なまあたたかいか、、

 あなたは触れる、

 触れえる、

 即座に、、

 この声のさわぎには(ハ)、、

 声すらも参加させてもらえない、

 して、

 私は大きく黙るだけです、、

 訳など分からず、

 ここで、

 身体をさらして、、

 大きく黙るだけなのです、、

 ほら見えた、見えた、、

 身体が、線が、、

 近づく、、

 私は垂れてくる、、

 記憶の初めのようにどこまでも、

 ここへ、なまあたたかさで、

 垂れてくる、

 うん、

 吸いなさい、

 吸いなさい、吸いなさい、、

 ひとり用意された身体、

 大沈黙の、室で、、

 あなたは吸いなさい、

 

 ねえ、液が垂れたでしょう、、

 どこまで、

 どこまで染みるのねえ、

 そこで、じっとしてて見ててごらんな、、

 ほら、

 あなたが身体を入れた場所、

 こんにちは、こんにちはって、

 徐々に響いているのじゃないの。

 ほら、ほら・・・