<2317>「お前は身体か」

 お前は身体なのか、

 あたしは血を振るよ、

 血を

 血を

 ふ

 フ

 フ

 振る。そう。

 

 お前は、密かな場所の、身体なのか、

 熱が立つ、あの裸の、孤独なのか、

 どうだ、

 うん、

 なにか、空洞のなかに、ねったりとする、

 私は生まれたばかりで、

 ひとつ日の身体で、ある、

 

 阿あ、そうか、

 お前も身体なんだ、

 この通路、

 なにも置かれていない、

 しんとした、

 匂いのない、

 ひとつのはだかの身体なんだ、

 言葉などもくぐもる、

 ひとつの身体の位置なんだな、

 うん、

 位置なんだ、

 分かってきた、お前の声が、

 そこからとぷんとぷんと立つ、

 お前の日の声が、

 分かってきたぞ、

 俺はちぎれそうだ、

 身体ばかりがこの反響音の世界にいて、ちぎれそうだ、

 お前は裸か、

 私は身体か、

 

 なんだ、

 俺は、心

 ・・・

 心臓、

 ・・・

 心臓が、混ざる時間を、待っている。

 糸がどこを走るのかもしらず、

 熟成が何の色であるのかもしらず、

 ただ待っている

 ただ、心臓を待っている。

 心臓が生まれて、

 私に混ざるのを。