<2276>「悪をシ、声をしがむ」

 その男の手から、

 今まさに漏れ、、

 今また全てを変える、

 変えた身体から、、

 あなたは光り、

 あなたはまとまる、、

 うん、

 私は馴染んできた、その空間に、少し、

 始まってきてもいた、、

 捨てた人として、

 ここにあらわれること、、

 私は何を嘆いたらいい、

 嘆きなどもっていない、

 ワタシハ、ナゲキナドモッテイナイ、、

 ただあたりまえの時刻にいるだけだ、

 このテンポで始まって、

 ここにいるだけなのだ、、

 あなたは、看板になった、、

 さびしい、、

 しかしひとりで静かに立っていて、

 そう悪くはない看板に、、

 

 人間でなくなろうとする、、

 その隣で人間でなくなろうとする、、

 そのまた隣で人間でなくなろうとする、、

 ひとりの声がする、

 身体の、中に貼られた、

 その肉声をくだき、、

 ちょうどよいサイズのものを、、

 どこまでもしがめ、、

 声を、声をしがみなさい、、

 私は夢中になったり、

 その線の振動から外れたりした、、

 今の肌を持ち、

 明らかに、

 身体ごと外れたりした、、

 うん、

 もののなかにいるよ、

 今、声のなかにいるよ、、

 そこはどんな味がする、、

 私は線のグラデーションを想う、、

 悪はどこにある、、

 私は声をしがむ、、

 

 平らなところはいる、、

 それぞれのデプス、

 辿る糸があり、

 ゆっくりと巡り、

 そのなかで生まれるものがあり、、

 どこまでも届く姿があり、

 私があれば、、

 良い、

 日に、日に新たに、

 私は駆けるでもなく、、

 まろぶでもなく、、

 自体をしがみ、吸っていく・・・