<2275>「舞台はその人を吸っている」

 そのはたのこと、、

 一の、 

 その知られた世界のこと、、

 あたしは、

 そのなかで泳ぎ、

 今さらのように身体を手にしている、

 身体を迎え、

 今ここに、

 集まりたいだけ集まっている、、

 その夢幻の、

 身体の理を知りながら、、

 

 あなたはそうして、

 静かに出てきてください、、

 私はいくつも見留めますから、

 いくつも生きていきますから、

 そうして別れて、、

 また花の前に立ち、

 異時は起動する、、

 あなたの姿のまえに、

 全ての時間は移ってくる、、

 あとは踊るだけだ、、

 その、それぞれの、、

 見事な身体でもって、次々、

 踊るだけだ、、

 、

 舞台はその人を吸っている、、

 その人はただそこで足踏みをするだけだ、、

 異時へ揺らぐから、

 我々はその振動の全体へ、

 身体を任せていくだけなんだ、、

 あ、

 ここでしずかにはじまって、

 その揺らぐ、

 次々の道へ、、

 その人は帰る、

 ここが、夢ではないからか、、

 線は流れる、、

 身体は、

 どこでも生まれている、、

 

 長く生まれ切ったあと、、

 私は万年の感慨をここに印し、、

 また、

 このはたに来たのだなと感じ、、

 その細さ、

 この透明時に、

 全てを合わして来たのだろうと思う

 身体はすべて皮膚の、、

 その線の流れに、

 黙って浸かったろうと思う、、

 大きく、

 大きく息を吸う、、

 ちょっとした目眩のなかで、

 あなたは生まれている、、

 長く、長く生まれている・・・