<2030>「木片への掛け声」

 まだ名前も知らされていませんね、、

 いいえ、あなたはそこに歩だけを持っている、、

 あたしは声を当ててそこからひとつ、

 ひとつ、と、整理を始めた、、

 なにだろう、、

 どこから来たらあなたの風貌は、こうなる、、

 どこから走ったら、、

 あたしは暑い国から来たんだろうか、、

 私は、夢と感じる場所から生まれて、

 自然に、水が流れてここへ来た、、

 と、木片をひとつ放る、、

 静かに着地、

 乾いて、音も僅かです、

 ん、、

 あたしは見つめてしまった、、

 この時空間に、

 木片はあまりに静かすぎやしないか、

 とそう思われたのです、、

 

 そこで私は返事をすることにしました、、

 エ、エ、あなたの微量な音は、それは、ありますけれども、、

 宇宙に対して、泡立つ気持ちなどは、どうですか、

 持ち合わせが、ないんですか、、

 ア、イエ、、

 これはもう振動し過ぎているほどだと思います、、

 栄養も、過多であると思われます、

 外からは無音に見えますよ、

 エエ、

 しかしそれはあなたもそうだと思うのです、、

 あなたも、何も音もしない、

 このような活動のなかに、、

 ずっと先があるのを知っていますね、、

 そして振動が過多であるということも、、

 あなたは時間のなかで爆発して、

 粒がどこまでもひろがっていくのを、

 知っていますね、、

 

 エエ、

 私は静止した、そして声を掛けた、、

 おはよう、

 なんだか生まれましたね、、

 私がこんな形で生まれて、

 さぞ驚いたことでしょう、、

 その緩慢な動きをおのが肌に包み、、

 ア、

 白く放ったのが私のここまでの生なのだ、、

 なんという無言の自然でしょうね、

 ウン、ウン、、

 そこに、水に、

 ずっと浸っているあなたの上を、

 気分の良い風が抜けるときに、、

 私はこの身体がどこに行くか分かるような気がします、、

 アレ、振動だな、、

 揺すられて、

 手に響く一切をひらいていく人として、、

 ここにあっただけの、ものごとに、言う・・・