<1997>「一対夢を見る眼」

 これが紐を繋ぐ、、

 私は、結び目が、

 僅かに汗をかいているのを、見つめる、、

 何がこの日に合わさったのですか、

 私は知らない、、

 まだらな粒が、

 私に声をかける、、

 お前は集合だよ、

 一対夢の、さわがしい集合なんだ、、

 そうか、、

 なんだか部位という部位が、

 はやくなっていくようだった、

 このキーのなかで生まれて、、

 そのまま順次、粒が、文字が、

 ひとつずつ溶けて、

 私は口をひらいたんだ、、

 

 私は生まれた、、

 小さなヒのなかに、揺りを持って生まれた、、

 いかな騒ぎといえども、このなかに、

 そっくり入ります、、

 私が当たり前にこの域を呑む、、

 それはなんでもないことです、

 しかし、なにでしょうね、、

 あたしは冷たい風のなかにひとりで立っていました、、

 どこかへ流れ出るイメージを持ちながら、

 ここで過ごしていました、、

 ここでしずかな姿を含み、、

 ただひろがっていました、

 誰でしょう、

 ここで声がするの、、

 あたしはもう半分ほど夢のなかに入っていて、

 あなたの振動しかきいてはいない、、

 振動も、もう夢のなかで泡になり、

 私は汲むばかり、、 

 私はただ目のなかに入る青を辿るばかり、、

 

 あア、生きていた、、

 私の声は、複数にきこえる、、

 あたしのさきわいが、、

 肌の中まで続く、

 等しいヒのなかに混ざり、、

 座った、、

 単簡な声が届き、

 私は醒めている、、

 この時間のなかにただ青い視線を混ぜて、

 醒めて、立っている、、

 しずかな夜だ、

 あたしはしずかな夜に浮かぶ、

 ア、方途の音、、

 次々にヒのなかにかかってくる音、姿、、

 私は眠った、

 私は交わされたヒのなかに生きた、

 照っている、生まれている、、

 底にさわるものも、

 今は熱、今は華の・・・