<1994>「事件の中の束」

 お前が複数の束に見えて来た、、

 私は音もしない、、

 巡りようのない場所での呼吸に、、

 ひとりで合わさってきていた、

 時間に、静かに覆い被さって、、

 おい、どこかから、穴を、

 穴を用意してくれ、、

 私は見るから、、

 風景から、液が垂れたのも、、

 全部見るから、、

 身体は、事件なんだ、、

 熱をもって、移動して、

 肌が白く輝いているのは、

 ひどく生き物らしい、、

 あたしはただの事件の前に立たされていた、、

 

 熱を、受けたな、、

 平らな面の上に乗って、

 なにだ、

 持っているものは、全て流れて行くのか、、

 私はその底の方で、

 声をきくというのだろうか、、

 つちから、響きだけ、

 私がさわぐだけ、、

 表面的にはただ、沈黙してしまったものが、、

 この線上でさわぐだけだ、

 あたしは垂れる、、

 このあたたかい事件に向かって、

 どこまでも垂れる、

 この垂れた印をきいて、

 跳ね返りの身体はどうかな、、

 ここは静かにまとう、

 どこから出てきたかも知らないが、

 ここは静かにまとうのだ、、

 

 新しい皮膚の記憶のなかに、

 一体、どれだけ垂れているのか、、

 それは、容易に見通せるものではないのだけれども、、

 私は、この、

 あまりに不思議に過ぎるこの光景に、、

 複数の線を張るのです、、

 ほら、長い時間がひらいた、

 私はどうやって来ましたか、、

 ほら、外側、、

 無限は内側の方が近いんですよね、、

 ほら、見て、ここ、

 さわってください、、

 ゆっくり、ここに時間が溜まるように、、

 呼吸をここにひらいてください、、

 ひとつの瞳が向く、

 私は見る、、

 私は時刻のなかで束になってくる、、

 きこえている、

 順にきこえている、、

 あたしは、温度を増やして、、

 まともにここへきこえている・・・