<1975>「漸次のヒ、漸次の身体」

 台に触れた、

 ここから、さわぎなど出ようのない、、

 もとへ、単簡に、、

 響かせるかたわら、

 私は、ア音を切れ切れに届けていました、、

 ふわ、

 よろけたところに光があり、

 それは単簡に、

 全方位を照らしていました、、

 声は、

 声はどこにある、、

 どこに渡りながら生きるのです?

 私はホウとただ並び、

 そこで次々に、吹き返していました、、

 

 オンジョウの只中に、、

 居て、

 私はひどくつまみを絞り出した、

 あ、アの音だ、、

 どこからかこぼれて、

 私は隙間に、物事の通るのを、、

 確かめて来た、、

 あ、熱が、、

 ひとりで生きてきていた・・・

 あ、

 私は肌のなかでより柔軟になるのか、、

 どこからこの振動は来る、、

 あたしはさらされたヒのなかで、、

 じたいの響きを通す、、

 あ、ヒの音、、

 この音のなかに順に順に生き、、

 ものの只中へ、

 血になって巡りながら、

 白昼の夢を見るのでした、、

 

 だい、だい、だい、、

 あア、過去だな、

 剥がれたもののなかだな、

 それはひそかに通過し、、

 次々にたくわってゆくので、

 また静かな眼をしていく、、

 ここに自体で混ざる人の、

 表情を通していくぞ、、

 おい一体、これはどこまでゆくんだ、、

 私は行方に浮かび、

 この箱を通していく、、

 や、や、あれたな、、

 またいちじるしいその人の、、

 ヒの光が、

 漸次身体、

 漸次ひとつの筋なのだな、、

 という、、

 数々の声、、

 私はその筋の跡に、、

 複数で、生まれてみたい、、

 ヒに、寝そべるようにして・・・