<1974>「むきょうがいの朝」

 あったわ、、

 なんでか、あったわ、、

 ほら手をつけて、ほら、次々に、

 あったわ、

 、溶けてくる、、

 私も少し覗いてみたら、あった、、

 どうしても、あった、、

 なにだ、これは、、

 私と、目が合った、、

 それは、事情を把握した目か、、

 なにも分からない、、

 なにだ、温度が、むくむくと、

 湧き上がって来るではないか、

 

 形象、

 あア、

 私か?

 こんなところに住んで、誘われて、、

 あたしはこの外部ではしゃいだ、、

 ぼくはね、ぼくはね、、ウルトラマンなんだ、、

 へえ、そうか、オレはウルトラマンか、

 知らなかった、、

 えい、え?

 お前たち、どうやって帰った?

 さあ、知らない、、

 私たち、白さのなかで、はしゃいだだけ、

 そこに家があったの、

 あった、そうか、、

 液は流れたか?

 水洗トイレ?

 いや、まあ、そんなことはいいのだが、、

 その夜を、どう過ごしたか、憶えている?

 憶えていない、、

 そうか、私も、よくは憶えていない、、

 

 異物として挟まる車、、

 なにだか、生きている人が、みんなで集まって、

 みんなで一緒に、

 その車を見ていた、、

 その車に乗っている人は、一度頭を下げて、

 みんなも一度、頭を下げた、、

 それから、

 あそこはどこにもなくなり、、

 私は、この狭い通路を抜けて、、

 もう少しひろい場所へ出ようと考えていたみたいなんだ、、

 そこで、私はもう少し広い場所へ、

 車を走らせていた、

 なあ、お前たちは、これからどんな人に会うんだろうな、

 私は、世界の広さのなかに、

 ただで漏れていたから、、

 いくらもの人に会うのじゃないかと思っていた、、

 そして、お前は、ここで枚数が重なる、、

 そのことを、腹の底で確信する、

 お前がここで、

 ずっと前の記憶を持つ人と、

 ぽつぽつ絡み出すようになるのは、まだもう少し先のことだ・・・