<1964>「不思議な暗さ」

 まれな仕方だ、

 どこから生まれたかは知らないが、

 なんともまれな道行きだ、、

 私はただ彼方にひらき、

 ここを泳ぎ、続く、、

 あたしは静かな歩のなかで定着している、

 この時刻のなかでかたまって、、

 まともにひのなかを過ごしている、、

 なにだかこの風景が、

 次々に生まれて、

 次々の泡へ、

 しずかにわたるとも見えたのだ、、

 

 通りを、ひとつの視線で、駆ける、、

 あたしは怪しい、

 なんとも細いささやきの渦に、

 少しでうたれて、

 少しでからまっていく、、

 なにだ、かたい時刻か、

 私はあなたのようにそうして遠くへきこえながら、、

 この一量の手に、

 しずかにうつる、、

 は、さらいながらきたもの、、

 底に映り、

 なにとはなし、流れ、、

 時間をざらざらと濁す、

 そこの音をききました、、

 疑惑と信はひとつですね、、

 あたしはどこへ行くのか、

 あたしは日常の手以外ではないのでして、、

 その匂いはなにだ、あたりまえだ、、

 日々の響きのなかにあたりまえに住み、、

 水が真っすぐに流れる、

 あれが、あたりまえにきこえて、、

 ひとつふたつと来るのを、

 受けていました、、

 あれ響きから一散に来た、、

 あなたがどこから生まれてきたかは知らないものの、、

 通りをあたりまえに揺れてきた、

 仕草があるのです、、

 

 この道の繊維のなかに、、

 私は、すこし、水を垂らして、

 そのものの、やらかさ、変形を、、

 今や、はっきりと見つめている、

 命を否定する部分、、?

 不思議な、

 不思議な暗さに出ました、、

 それはよろこびではないのに、

 それは楽しさではないのに、、

 ひとりそこにいて、

 静かに呼吸が出来るところです、

 不思議な様子に、

 またヒも寄ってきて、、

 なにがなにやら、分からないまま、、

 この一量に、まぶされてくるのです・・・