<1963>「それはヒだ」

 島の上にいる、、

 あたしはさらし、静かな、

 風の中にさらされて、

 ひとつの声を見つけた、、

 それは、私の手のなかに渡された、

 私は、いつもの、風の中にいて、、

 どこか、あたたかいところへ、

 ひとりしずかに、風を運び、、

 わたしは後ろにいた、

 このまえまであなたはただ裸だった、

 ただ歩いているだけだった、、

 ア、

 母国の風がする、

 アたしはここから漏れてきたんだ、、

 

 長く生まれて、、

 なにだか、あたたかいから、揉んできたんだ、、

 線を引き、

 ふたつに分かれ、、

 コオドのなかに、漏れてくる、、

 ア、

 あたしの部屋だ、、

 あたしのすぎていくこの場所だ、、

 なにから、

 外に生まれ、、

 からだのなかに、次から、次へと、まぶしてくる、

 粉をまぜてくる、、

 それはいちど温度を持ち、

 風の中に流れてきたのだ、、

 ア、ア、

 跡へ続くぞ、、

 この方途の装いを続けるぞ、、

 ア、ア、、

 あたしの肌に、また、ヒが混じる、、

 照らされ、照らされて、、

 ひとつの糸のなかにあって巡るの、

 巡るの(めぐるの・・・)

 

 さらに声を鎮めて、、

 声を頼りに鎮める、、

 お前は浮かぶ音、

 ぽっ、ぽっ・・・

 ア、

 語り出した記憶の仕草だ・・・

 なんというからだのながれ、

 なんというながれの方法だろうね、、

 あたしは静かに、、

 この光景をしらべ、

 いちどきにここへ向けて、、ハを、、

 ハヲ、ハを伝える、、

 ながいながい響きに沿わせて、

 しるしが、来れる、、

 なにだなにだ、、視をまわし、、

 このほろほろとこぼれる、、

 さわがしいじかんのなかに、

 ア、それは私のヒだ、ヒだ、と言う・・・