<1961>「明るい日の記憶」

 あたしはただその光度のなかで、、

 揉み込まれて、

 静かに出てきていた、、

 生誕は湿っている、

 この僅かな声のなかで生誕は、、

 私は深くを掴み、、

 どこかから外されて、

 どこかからまともにきこえてきていて、、

 なに、手の上がる、

 はっきりとここへ姿を出し、、

 私は浮き上がる、

 その先端の揺らぎのなかに晴れて、生まれる、

 揉まれたれば生まれたか、

 あたしはこのあけらかんとした通路に、

 静かに口をつけて、、

 なにだ、なにだ、、

 ここから流れてきたのか、と、

 独話する、、

 

 はてからはてへその肌の只中、、

 私は大きな声で、叫んでいたが、、

 それは全てくぐもり、、

 ただ振動としてひとつの姿勢を示す、、

 あたしは泡と一緒だ、、

 それにしてはどうも、複雑に編み込まれた、、

 編み込まれているのの、そのほつれの、、

 赤いひらきのなかに、

 秘密を見留めて、、

 じっと時間を過ごすのだ、、

 あたしはその底に潜っていく訳ではないのだ、けれども、、

 そこに複数の糸が編み込まれ、、

 ほつれていくそのま、なら、、

 私はせめて匂いを嗅ごう、

 どこからも来る匂いを、だな、、

 あたしはどこからどこへも巻いていくのを、、

 はても分からず、、

 ただこの場の揉みに、

 ひとりで加わるだけなのだけれども、、

 トン、、と、音を垂らしてくれよ、

 

 はた、・・・垂れた垂れた垂れた、

 あたしは吸い、、

 吸いながらさわぎのなかへ、染みる、、

 色やなにや、、

 肌から静かに出てきて、、

 ものを思いながら生まれ、、

 明るい日、

 光度が、ただ染みてくる、、

 風の抜ける夢に立った、

 少し、私をここに置いといてくれないか、、

 はられたままに、

 ここにただ身体が流れるままに、しといてくれないか、、

 動く、

 ごとごととその端へ落ち、、

 さ、さ、そうか、、

 液になってこのラインに居たこと、見、、見・・・