<1907>「さびしいほこう」

 様子のなかにひとり居て騒いでいるのに、

 出会い、

 あなたは誰だと思う、、

 あなたはその網を抜けてきて、、

 今瞬間的に、そこへよろけるところ、

 なにか、浮かび、、

 歩いている気がする、

 私は手の中を覗き込んでいるのだが、、

 なにか、

 そこに小さな火の種を見るおもいだ、

 私はこんな輝きから、、

 あたりまえに揺らいで、

 あたりまえに歩をつなぐ、、

 これがどこの歩なのか、、

 私は知らない、、

 

 私は液の、

 どうしてこうなのかを問おうとしない、、

 内証で過ごす、、

 ひとりは内証ではないのだが、、

 知らない景色に紛れていくうしろすがた、、

 ああ、ちょっとそこを行く人、

 燃焼する人、

 影の人、、

 私にテープを振っておくれよ、、

 私はしばらく巻かれて、、

 なんという帯だろう、、

 不思議な電気のなかにいたようだよ、、

 私はそこで眠れもした、、

 安心して過ごした、、

 知らない街に、知らない態度で溶けて、、

 ここにはエピソードがない、

 ここにはただ心地良さがあり、

 寂寥があり、、

 買ったばかりの音楽があり、、

 話したこともない人の微笑みがある、、

 ここに揺らぐ花も、

 音を遠慮して、、

 ただ悲しみを細部まで行き渡らせるため、、

 ここに身体をアけて、生活している、、

 

 最後のところで容れないのは、、

 それは悲しみだからだろうか、

 なにとなしにおそれるからだろうか、、

 健康を感じないからだろうか、

 わたしは温泉からの帰り道にあたり、、

 そんなことを考えていたのではなかった、

 そんな、、

 ひとりの風景の悲しさを語っていたのではなかった、、

 私は柔軟体操をして、、

 部屋が踊るのに任せ、、

 日常に糸を小さく通している、、

 ああ、その姿の人、、

 あなたを呼び止めても、

 別に話すことがなかったので、、

 なんとなくおかしく、、その間嬉しくあった・・・