<1896>「熱と肌」

 名に被さりものの透明の、姿が、、

 そこに巻かれていく様子に、

 はてに居る、、

 おそろしい熱の動きにそのままとかれて、まじり、、

 明らかにそこへ出てくる、

 あなたのさわぎは、はっきりとここへ見えていて止むことがない、、

 その導入、

 その勢いの揺らぎに、、

 肌は付き合う、、

 肌は時間の膜に、しずかにくっついていた、、

 からからから、

 ある夜、私は凝縮して、

 一点に振るえを集めていた、、

 私の中が熱で一杯になる、

 身体の形が興奮している、、

 ひどく長い時間に、重たい液がだらりとぶらさがりながら、

 落ちてなくなりはじめていた、、

 

 あの様子のさわぐ、

 なかから彼方を招び、、

 この穴に招待する、

 さてどこまでも入れ、、

 どこまでもその私を目指せ、

 これはもの言わぬ場である、、

 環境音のなかざまにいて、

 取り残された場所である、、

 それは私だけの感じではないということを、

 静かに確かめ得、、

 身体がここに回転してきた、、

 各々方、ここにのびて、、

 不思議に身体をひいて、

 なにとしょう、、

 この幕間へのけわいの集まりをなんとしょう、、

 なんと声さそう、

 あたしは裸でだからびりびりと振るえ、、

 その模様を今地道につけている、、

 ははあ、あたしはつけている、

 まぶされている、、

 そこからほうけてその只中へ入るのに、、

 甘い声がきこえて、

 全体がただ激しい身体になるのだった、

 

 私は熱を見ながら、、

 熱に浮かび、

 ここをさしていく、ここを、、

 ここを見事に揺らして、、

 静かな時間のなかへかえろうとする、、

 そのたくみになった物事のなかへ、

 一散に走ろうとする、、

 ただ軽やか、、

 ただもののめぐる感覚に、、

 再び肌は生まれて、、

 今、経過したものものをたくわえて、 

 だらりと漏れる、、

 私は、掬う、、

 掬うさまに、日が漏れる、、ただ、熱になる・・・