<1886>「彼方の眼の欲」

 ここへしびれて出てきた、、

 あたしはさんざ、かたまって、、

 そのまま、あちらこちらへ散らばりもし、

 行方を追う、、

 ただ立ち尽くして見ている人々、、

 そうだ、静かな液、、

 湯気になって次々に立ち上がる、、

 どこだ、

 揺らぎながら手を見ていて、、

 あたしは少し迷っている、

 どこから出たものなのか、、

 ただ肌では確かめようもなくなってくると、、

 ここへ潜る、、

 

 尋常その端の、、

 いちいちが触れて、

 いちいちが漏れていくのをじっと見つめていた、、

 世界と世界として会わなければならない、

 響きは似ていないのに、

 出ているうちに同化する、、

 あなたは火を見つめているだけのつもりかもしれない、、

 しかしあなたは業火だった、、

 静かに、

 力むことなく、、

 どこまでもこの場所に一歩を置こうとしている、、

 その一歩は石をとかしている、、

 やれやれやれ、、

 あなたは垂れた、、

 それから鈍重なスピードで、そこここへ、渡って来るのだから、

 私は息を吸う、、

 どれ、どれ、どれ、、

 はっきり見えていることがここまで不思議になるものだろうか、、

 様子が増えて、、

 あたしの方へ手などを寄越してくるのでしょうか、、

 ははははは、、

 その垂れた姿は地面に移りますよ、、

 どこからどことも言わず、、

 

 私は落ち着いていると思っている、、

 しかしこの欲深さは落ち着きと呼べる類のものではないのかもしらん、、

 どこからどこへゆくのか、、

 沈むのか、、

 彼方の眼は、、

 なにを移してそこに据わっている、、

 えいか、何か、、

 私はぼうぼうという静かな音を立てながら、、

 ここの塵、埃のなかに混ざっているだけです、

 はは、ははは、

 揺れて揺れて揺れて、、

 今その不安な表情を小さく区切り、火にかけた、、

 私は、燃えた、、

 ところと ところが混ざり、、

 心象風景は、

 そのまま大きく呑み込まれる、、

 その黒い穴の様子をじっと見詰めているもの・・・