<1878>「内側の鐘」

 その軽さのなかに自分の粒のひとつを見つけて、、

 輪郭の、なくなるまで長い時間、

 そこへ置き、ぼやかしておいた、、

 普通に、僅かになる端の意識から、細部へ、、

 あたしは腹のなかへ小さくなって入る、、

 その意識の隙間、

 私が生まれて止まないところへ身体を預ける、、

 なにやら、顔のない、

 音のない、

 潜って、ただ、そこに呼吸だけがあらわれる地点へ、、

 すみやかに往く、、

 身体だけがあたたまり、そこへ、ひとつの印をなして帰ってくるものなのか、、

 私は腹中を探り静かにひらき、

 この事が作用して一所に連なるのを、

 ただに見つめていたのだ、、

 

 たれかこの鐘を内蔵して、、

 ひとつまたひとつと包まれてどこかで、、

 不透明な音が漏れている、

 あたしはこのような振動に列をなした、、

 どこからほどけるか、

 ほどけたところから風が入り、、

 今わたしのところへ駆けてくるのに相違ないもの、、

 なにが揺れて、、

 なにがこの時日を確かめ得る、

 私は知らないけれども、、

 そのまま、長い時刻でふるえて、

 長い時刻にひとつの姿で当たり、、

 また増える、、

 私は印が増えて行き、

 呼気のあたりかたもそこへ、層を作り、、

 長く生まれて、

 長く流れることになれ、、

 額になにかがついてあらわれ、、

 私は手探りする、

 ここは宇宙かもしれないので、

 静かに踊る、

 

 ただこの様子に触れたままで、、

 私は一切が色、一切が事の、、

 印のなかへ、

 さんざばらばらへ飛び込む、、

 曖昧な光や、

 運動や、、

 温度で、

 この地表面に静かに滑り出していた、、

 私は回転するのに、、

 今だの先だのと、熱を求めて、、

 平等で手を付けていた、、

 なんとこのような揺るぎが、

 先端に伝わり、、

 ここへ生まれてはまたはじけて、うつり、、

 ひとつひとつの点と、染みと、姿、、

 そのものがただに模様、

 そのものがただにとぼけた姿・・・