<1443>「声の溜まりをひらいて」

 方のなかにあ、あと出た、

 こぼれて、、

 いつか、そこから煙が張り、、だらだと膨らんで来る、

 ひとつの時間を、

 ひとつの静かさで、、

 ただに、黙って見ていました、、

 誰かが 声の溜まりを、ふとひらいて、、

 この場へだらと滑り込んでくるのをふと目にし、、

 もうもうと煙るなかへ、、

 いっそく、いっそくを静かに入れていくのでした、、

 

 でしたが、、

 煙に従うて行き来はいっとき見えなくなり、、

 はだけた身体から、、

 はだけた声は伝い、、

 どこからここへ来て生きているのかを、、

 慎重に問うような姿勢が始まって来たのです、

 そのまま目を覚ましたままで、、

 どうと、どうと起き上がり、

 揺れながら生きていくのです、、

 

 そのはだけた表情に、

 気ままに、

 月日という月日は映って行きます、、

 なにがな、わずかに明るく、、

 少し、眩しいなどと、思う間が、あるのかなきかのところで、

 それは揺れて、多分に生きています、、

 私がその煙の中を通るところなどが、

 多分に揺れ、多分に映りながら、

 いっそく、いっそくが、、

 あらゆる身体のなかへ、

 ゆっくりと張られていくのを見るのです、、

 

 私は空になった容器に、、

 何故か指をつけたままで、

 響きが一切にかむること、、

 一切が空いていくのを、

 静かに見つめているつもりではあるのです、、

 その途方もない響きから、向こうへ、、

 身体を向けて、、

 ここに生きているのではあるのです、、

 

 だらりと器が垂れて、、

 私の指のなかへ徐々に浸透してくるのを見るところなど、

 それは息がなくなり、

 物のあいだ‐あいだに黙って詰めて、、

 いくつまでも、、

 いくつ遠くまでもそのままで、、

 ここに、一滴の揺れとして生きたい、

 そう伝えた、、

 かすかに息を残し、、

 ここで混ざり合って時間もばらばらにほどけるようでいて、

 どこかに線が浮かび、、

 お互いで、浸透しながらそのリズムのなかに居、、

 驚くこと、、

 それはいつも伝えられていて途切れることがないのを、