<1383>「身体のなかに無数に手を入れたもの」

 私の印象の外に、まったく自然に置かれたいくつもの指の仕草、

 を、

 ただ曖昧な線を幾らも うしろの方へ引っ張ることにより、

 たくわえてゆく、、

 みだりに踊ったりしているのを、、

 はやくから捉まえたりしている、

 

 そんなことが起きてしまうと、

 そのなかで、そのまま、見ているより仕方がないので、、

 見てる、、

 身体が外側に、、

 いくつもの盛り上がりが外側にあって、、

 手が無数に入った、

 身体は、 手が無数に入ると、 このまま滑らかに、

 

 熱があって、

 それをみだりに捉まえたりしているわきに、

 静かであって、、

 ただ雨の方を向いている時間もあって、、

 誰だか、

 ひどく呼吸を落ち着けて、、

 身体に無数に手を入れているものが、、

 雨の条件のなかを黙って歩いて来た、

 ひとつの角度は無意識の、ひとつの息をしている、

 私は静かになった、、

 外部がくっきりと現れたなかで、

 前とは違うように、跳ねていた、、

 私は、、 身体に手を入れて、雨の日をもうもうとして見ている、

 

 黙って見つめ続けられていることで、

 もう少し広く、

 身体は広く、、

 ただ、歩いて来た人に、

 見つめるという仕草が今日初めて加わる、

 私は、身体表面が、思ったよりずっと静かで、、

 もっと見られていられる、、

 それも、身体の上で踊りながら、、

 そっくり、、そのまま彫り込んでしまえるほどに、

 形を静かに見ている、、

 

 知らないものをただ、黙って見続けていたと思いますが、

 少し引っかかって、、

 かたまったままで取り入れる必要があった、

 そうですか、、

 つまり、まったく分からないもの、あなたが、

 緊張を解くための発話のひとつやふたつ、

 ね、今は止しましょう、

 かんまんで、少し濁る、、

 黙視に、輪郭を、

 ばらばらな速度が折り込まれている、、

 少し、濁ったままの体勢を、そのままにしておくのが、難しくなった、

 それで、、ふと、 ひとつの線の続きにかえる、

 その時々の、曖昧なナリを、勝手に、いくつも、招び込んでおいて、、私は、少し濁って、手を入れることに忙しい、、