<1320>「生活器の夜」

 私は近寄った。

 そう、もう、外へ出て、、夜だ、身体があった、、

 ここにあった、私は近寄った、、

 和やかな、静かな、、

 煙が吐かれて、、

 夜にいた、歩いているのだ、、

 

 私は想起した。

 懸命な、しかしなにの心でもない回転のことなど、

 もう、巡っていた、ひとつ、、それは静まり返った席に、

 私と、足の、なにか、こすれる音だけと、

 息と、、

 おもいかえしていた、

 

 ちょうど初めて回るときのことなどをおもおうとしたが、私にはよく分からなかった、、

 身体が違いすぎる、、

 もう、重なって、、見えなくなっていたと思うが、、

 歩いていた、不思議だった、

 なんとなくおかしかった、、

 

 今日、、私はその日のことを考えてみた、

 その日、、その日・・・、考えても、夜で、ちょうど、涼しいということぐらいで、、

 他には、リズムがあった、とぼんやりおもうだけではあるな、

 ・・・、、

 それで生活器のなかえ静かに入ろうとする、

 生活器、、私は言葉だ、、

 ある瞬間から生きている、、

 それで、夜の風が涼しい、、

 

 うっかり、透明なバスに乗って、、

 どこか、生活を外れて、、

 もう、風もなくて、時々バスの口がアいて、、

 それ以外では、未生で、

 ただの浮遊だと思い始めているような、、

 くぐもった音声がいつに届き、

 

 それを、うっかり生活器、生活器のどこかが受けて、、

 あの時間もなにかしら身体になるとき、

 また身体が違ってきた、、

 身体が違うと、どうやら、風の入り方がこうであったとか、ああではなかったということだけが、、

 どこか、バスは、遠い時間を満載にして、、

 私も、その身体を持っている気がする、、

 なかには、生活器を持ったままの人たちも、、

 いて、それで、、日常に溶けていったあとの話などをして、

 それでも、だんだん身体の違いになっていく、、

 黙ってくる、、

 くぐもった音声が届くだけになってくる、、

 うれしいのとかではなく、ただ、それが、

 遠くをいくつも持っているというただそれだけのことだった、

 私はすっかりやわらかくなってしまい、、

 どこかへ帰っていないときの、ただの揺られ方など、

 こんなに、安堵して、、

 踊ったことなどは、まだ、どこかにあって・・・