<1300>「明」

 明、

 身体は既に乗っていた、、

 あんまり、ただ、やわらかく、そっと漏れて、

 ひとはいた、

 線を見つめる、、

 もうそのまま線を見つめる、、

 ああそうして明、、この薄い膜のなかへふっと差し掛かっていた、、

 おれは、長い時間をかけて驚く、、

 あまり大層に時間をかけてこの闖入を捉えていく、

 明、、

 空気の跡、、

 空気の跡に手は潜る、、

 誰か物語る線の潤みに今そっと滑り込んでいたのを知る、

 知る身体、線、振るい、

 そこへ、静かに秘された潤み、

 未踏の線が、

 未踏の線が、独自の香りで、潤んだ線を出している、、

 そのなかへ潜る、

 そのなかへひたと潜り込む、、

 

 声はこうです、

 明、

 それからしばらくこの未知の線にはりついて離れない、

 はりついていて音響を、、

 また遊‐遊としたあそびのなかへ、軽やかな、笑み、身振り、微笑みと ともにほうりこまれ、、

 からころところげる、

 明、

 それは独特な香のもとに 潤みをなし歌うのです、、

 

 これが押し黙った美しい線かしら、、

 未踏の、それに、

 歩を入れたひとりの歓びの振舞い、音かしら、、

 ながながと響き、な、サ、せ、

 そうでしょう、

 それで、 明、もう、明、

 ト、一歩はより、一歩の音を聴き、、

 身体ごと潤みに入ってゆく、、

 いつも、そこえ、小さなほつれを加えながら、、

 あなたが明朗に、

 明朗に、

 明、と、目を覚ますこと、、

 揺らいだままの歩を、この薄膜の明かりに映して合わせていること、、

 その瞳をする、

 瞳の、ひとつの行為を鋭敏に捉えている、

 あなたが小さい時間に微妙な振るえをなし、、

 そこここに払い、落とすこと、、

 そのかげにかくれた潤み、

 徐々に湯気の意識を持ち、、

 記憶にはりつきながらどこかへおもいおもいに同化してしまうのを、

 明、、

 と見ている、、