<1299>「未生粒の中で」

 未生粒は私の中で少し微笑んだ、

 微笑んだ、、

 つい、ほんと、先程まで、つい、無動作でいた、それで、今は軽やかに未生の、未生粒の、、

 軽やかにひらいでくる、、

 あくまで循環を見つめ続けているその方の眼、、

 まなじりの、

 無動作の、無言の、、

 その軽やかなまたたきにいくつも刻み込まれ彫り込まれている、、

 あの姿の、

 そのうしろえ、

 不分明に湧きだしてくるものえ、

 眼はそっと置かれている、、

 

 裸のなかにひとりで覚めて、

 少し微笑んでいる、、

 時日にまた新しい皮膚が、

 からだの外から時日が、、

 また幾方から幾方から、、

 ただ混じった、、その眼が見ていたことの、

 まだただ時刻、、

 見つめ、軽くなってゆく、、

 

 あたしはちょうど循環して徐々に膨らんできたもののどこということもない場所に黙って浮かむ、

 あらわれたならあらわれたなり、

 流れたなら流れたなり、

 色が、長く、声が、闖入が、めかし込んだ呼気が、そっと、また、勢いをつけて、ごうごうと、流れ込んでくる、、

 循環の先端へと触れてゆく姿、、

 姿の意識、、

 姿の晴れの意識、

 ざらざらと流れてくるもの、

 こぼれてくるもの、、

 無言で、無動作だので、おそらく知りようがなく、、

 私はあいもあいも回っている、、

 時日に触れるリズムはそうだから、、

 誰かが闖入してくるから、、

 相、

 相、という字は、いくらかをこぼす、

 私の、あなたの、その眼から、いくらか外れ、渦を、渦を確かに泳いだこと、、

 記憶していない、

 からだのフチの方で音もさせず流れた、

 からだのなかの種に、未生の香りをさせた、

 そして眼から逸れていくこと、

 音もせで落下してゆき、先端で、

 皮膚として、ちんにゅうになまみで触れ、、

 硬直している、、

 渦を見つめながら、、

 ただ未生の香りを持って、、

 どこか風が吹く限りのところえ紛れてゆく姿、、

 あの姿、、

 未生粒はまた寄せられる、、

 いくらかの種の匂いに、

 いくらか眼の届かないところに、、