<1279>「名前になるまで」

 今、声をかけて、

 しばらく名前がなく、、

 透明に、ぼおとしていたのだけれど、

 それは徐々に自分の名前のようでいて、、

 だんだん明らかになってくるような、声、、

 それがかたまって、、

 私は応答するように見えた、

 徐々に応答を獲得するようにも思えるけれど、、

 それはどう鳴っただろう、、

 耳にしたこと、、

 依然としてびりびりとしびれた時間のままであること、、

 それでも、私は少しずつ動いていた、、

 声が、全部を辿り、、

 こちらのほうへひたと貼りつくこと、、

 

 それは剥がれないようだけれど、

 嘆くようでもあるけれど、、

 名前、、その、全体と、

 身体を呼ぶこと、

 私は裂けてしまう、、

 これだけ、さりげなく、しかし、一心に呼ばれたら裂けてしまう、、

 名前があり、

 呼んでいる、、

 

 いつか、 間際に身体が流れて、、

 かすんだ、 白い細い線を持つとき、、

 呼んだこと、、呼ばれていることが、一心に混ざって、

 空気のなかに、順番に音を立てて、紛れるなら、、

 それを遠くまで見ている、

 道行きの序でに、

 今、 行き交う人たちが持っている色と 大体おんなじになって、、

 それを、 見ているだろうと思う、、

 

 第一、曲がる方向をぐっと持ち合わせたような、、

 響きが、

 一斉に向いて、、

 私のところえ収まったまま、しばらくなんにも言わないように見える、、

 はりついたものの話法をこのまま、

 このままここに畳み、

 名前の先端部が震える、

 一体なのか、、

 身体から離れてひとつの景色、震えながら線を引き、

 名前の在り方、

 そばで見ていた、

 

 やがて、 ひとつで、、

 そのまま答えていること、、

 折り畳まれ、

 徐々にあつくなってくる、、

 身体が、 名前を探す時間、、

 に、 ひとつ、

 気持ちのよい風と、、

 あとからあとから どんと吹いてくる時日の、、

 そのまんなかに立って、、

 だいたい、 名前になるまで、

 じっと、音を聞いていて、、

 日は深くなってきた