<1129>「涼しい都市を見る」

 すはやさでゆく。

 何故か、すはしこく、すすしい都市へ。

 すはやさで。

 われながら濃く、時折は踊り。

 すはやさの都市。

 まだらけ 緑 常温 たどたどしい。

 全生物の目をして。

 目を演じて。

 よそゆき、逆行と、静かな日の一歩、

 いっしょくたになる。

 あまりにも隔たり、容易に重なりえること

 あまりに怠惰、あまりに暑熱。

 ひと ひと 一様 視線は散らばり。

 一隅の露店。あるいは疑いの目。

 ただ明け、ただすはやさ、ただのアトランダム。

 あるいは十数年前の言葉。

 ひらにすはやさの代わりをする。

 あるいは数年前のかんしゃく。

 ひらにゆき過ぎて歩行を呼ぶ。

 よばれ、よばれ、えい、歌、踊り。

 もうぞう、揺るばれ、炎天の歓び。

 異国の目。

 うたい。

 やとわれた花びら、飾り、食い気、日また日。