<1130>「湯気のなかの日」

 着く、着く、着く。

 まぎわにそ、と離し、着く。

 目、公園を大胆に横切る、日。

 細い、細い、白い雨。

 あずまや

 あずまや、あずまや。

 知り、頭のなかだけでぼうとする、知り。

 やき、歩行、嘘と、軽やか、一切。

 探る人、探る人、あくまでも探る人。

 その夜に同じ人と歩いている。

 また鳴り、また鳴り、また鳴り、

 鳴る。

 それ以外の目、あるいはかなり煙に似ている。

 あるいはかなり煙の匂いに似ている。

 激しく醒めていた目へ、その目のなかの言葉へ、

 あくまで近付く人、あるいは近付いているとは知らない人。

 湯気の立つ、湯気の、、

 プランターの仕草。

 あたかも別の呼吸はないのだと言うように。

 無い、無い、無い。

 あ、新しい気分に入ってしばらくそれとは気がつかない、あ。

 模様が、関連のない一部一部であるように。

 ただ湯気を見、湯気を交換し、

 一言も見えなくなるように。