<1116>「継ぎ接ぎ」

 秘密をあらわして平然としているもの。

 時計、涙。

 偏った一日。

 野放図な華やかさ。

 パイプ。一日休む。

 呼吸のきはどさ。 当たり前の印。

 過去へ一歩を置いていること。

 点の表情。 線のにじみ方。

 新しい出会い。

 ニュートラルポジション。 ひとりの机。

 過ぎ去った未来のこと。

 遠くまで憶えている問題。 視線。

 温泉。時間のなさ。

 全てが溶けてしまうこと。

 空気は問われていない。

 駄菓子。サンダルを蹴って。

 丁寧なイントネーション。表情の夕方。

 遊び。 息の切れない。

 ひとりだけの花。 香りの内側。

 朝。 会話だけが浮かぶ。

 過去は寝ている。

 どぶろく。 ウィスキーのロック。

 マッサージ。 やさしいコーヒー。

 隣に住む人。 あるいは遠方のそれ。

 あいだ。 ひとつのカフェで休む。

 紙幣。 不器用な手。 明日と未来。

 

 今川焼。耐熱皿の艶。

 長い休み。 バンドのない腕時計。

 騒音と商店。 新しい人。

 アイスクリームが溶ける。

 交差点。 色の行き交い。

 呪文と巡り。 回転と葛藤

 床の間へあなたがいる。

 カレーと休み。

 記憶より速く走る。

 あてど 万雷の拍手 沈む

 転がっていく。 塵とスチール缶。

 驚きに似ていること。

 人は粘菌ではなくなった。

 あらゆるものの後。 あらゆるもののことの後。

 カラになった視線。 文字 砂

 奪う

 緑色。 華やかさのなかで。

 カーテン。 じっとりと染まっていく。

 朝日でないこと。 夕陽の記憶のなか。

 肌が灼けている。 笑み

 日産 カブトムシ クワガタ

 ベッドのライト

 舗装された道。 中央駅。

 他のどこから来たのかも分からない人。

 贈り物。 ひとつはうわのそら。

 モード。 歓待と市場。

 どんど焼き。寒さと足。

 細かな灰。

 ただのあたたかさ。

 古くなった新聞。 かわいた声。