<1071>「キョウ」

 出来上がることに驚き、、

 出来上がることが続くのに驚き、、

 ただ続くのに驚き、、

 道に驚き、触れてもなんの感触もないだけで、

 ためらわず驚き、

 あたりまえの言葉にときに驚かなくなり、、

 驚かなくなることにも当然驚き、

 驚き続け、

 驚き、驚くにつけて夜(よ)も明かし、

 晴れ晴れとしたヒにひとりで立って居(イ)、

 なめらかになり、、

 やっているという感触もなくなり、、

 ただ底の方に穏やかな、驚きの感覚をよこたえ

 それが長く続き、

 空洞になり、音(おと)がよく響くようになり、

 どこへもゆけ、どこからも帰ってこれるようになり、

 訪ねる場所、訪ねる場所ごと、

 風は、 また風は、 風はまた風は、、

 道に舞って、舞って、舞って、、

 その不意をつく声に驚き、

 振り返り、再訪し、

 よどみ、立ち上がり、ひらき、流れ、

 軽くなり やわくなり

 ふとした拍子にはじめてのところへ戻っている、、

 微妙に異なる・・・