<1070>「現代人は醒める、さようなら」

 遅くなるもの 遅れるもの、

 ふとした隙間に、どうしようもなく現代人で

 現代人で醒めていて

 どこかに感激屋を隠し、

 あの倦怠のなかにすむ

 どうしようもない現代人で

 だからかして書いている

 どうしようもなく書いている

 一切が羅列 一切が羅列で

 そこへ集合し 乾燥し 黒くぼかし、、

 あきらかに無名をあらはすために、、

 どこまでもどこまでも完璧な現代人なんだ、

 そのなんのきない道、なんのきない通りで、、

 小さな部屋 小さな部屋にからだをつけて、

 かわいた指を見つめている、、

 過去から 隙間から窓のそばから漏れ聞こえてくるものの全てで、

 その時間はわたしで、、

 明くる朝にまだ騒いでいて、

 感情を通さず、、ふっ、ふ、と呼吸する、、

 さよなら現代人、、

 またあの隙間から顔を覗かせるだろうから、

 醒めているということにあたらしさはいらないから、

 さようなら現代人、、

 なにかを削っているという意識もなく削っていき、

 集まった柔らかいくずの匂いによく似た現代人