<1216>「もののてだれ」

 じん、、と、ひとり響いて、生き始めていましたから、

 呼吸にせよ、

 なににせよ、

 透明な日に こうして 透明な身振りで、

 じん、、と、響いていましたから、

 

 その存在は自然に隠さレテイル・・・、

 尋常自然な姿で、 ひとり、 隠さレテイルト、、

 それは上手に、

 (モノノテダレ)

 風が吹き、巧みに印象を分けてゆきます、、

 秘されていたものの周りを、

 美しい粒が伝ってゆきました、

 

 アラワレ、 アラワレ、

 明らかな道のもと、

 きらびやかな印象のもとで、

 あなたは・・・、どこを舞ってゆきましょう、

 これだけ経過して、

 これだけの香りが満ち、

 これだけ揺れ、

 尋常その気配をまとうもので、

 幾方へ、

 さ、丁寧に散ずる、

 勢いよく跳ね上がる、、

 ソレハ 道を示すケレドモ・・・、

 道とて この香りは知らないケレド、

 同じヨに乱れ、

 ならい、

 そのままの姿で、、

 

 もしも風が無ク、

 秘されたままでいたとすると、

 なに振舞いをするで無かったとして、、

 せめて 私は そこに温度を見ていたい と思います、、

 そのまま やや かるく、

 申し訳程度に光り、

 あくまで未生として、

 あくまで予感として、

 静かにとどまっているものの姿を、、

 

 その姿に無数の影がかかる、

 その姿に、

 眼差しはいつも淡々と色を帯びます、

 明らかになって、

 その見えるままに渡っていくだろうこと、

 (ヒトリデカタリダシナガラ・・・)、

 どうして秘すのか、

 香りはそこここに届いてイルトイウノニ、、

 だが、

 当たり前の面として、

 ゆら、ゆら、ゆら、、と、揺れ出だす、、

 過去の肌ざわりが、

 今生の眠りが、

 たったこの今に晴れて、

 静かに進むこと・・・、