<1058>「ものぐさの香り」

 一匹のさびしい人間になって、ひとまずここらを染(そ)みてくれ、

 おまんが愉快だろう、

 おまんは楽しいだろう、、

 それに加えて、ひどくさびしい流れもここえ、

 ただひとつの音(おん)を繰り返して、、

 たわんで、、裂けて、ひらいて、、

 軽々と弾んだ、 あのフシと、

 ちょうど未来と、、

 かたよったこころねと、、ともと、

 ともと ともと

 ものぐさ、、

 あたらしくものぐさのかおりする、、

 こんだあたしのなかえ格別にかおりさわってゆく、、

 おそれらくはなにごともぴったりしない

 おそれらくはなにものもぴったりしない

 デ

 わたしはかすかに歩いていた、

 もうほとんど消えて見えなくなってしまいそうだった、、

 そのかおりが 湯気が 煙が うわずりが 上気が ためらいが 自分が くやしさが 不安が 夜明きが 

 外が・・・

 ただのぼっ、、とした夜気に静かにさわれよ絡まれよ、

 こんだあたしのよろこびを混ぜてみるから・・・