<1008>「ヒに沈む水、と日」

 いいえ、あたらなことをするよあなたは・・・。

 その日(ヒ)、その直線を、どこまでも先へ、どこまでも涼しく、どこまでも鋭く、伸ばしてゆくことしか考へになかった・・・。

 やらかに包む、遊(ゆう)の世界、うち微笑み、、そのささやか、自在、、

 おっと、はらなかに全て、ちからあつむ、、ただしいんと、、ただひとりの暗がりと、、静かに目ィ、うち据えて・・・、

 鳴る・・・しずむ・・・鳴る・・・あと少し、、

 やらかな光のそとへ居(イ)たかうちへ居(イ)たか、そんなことはわたしに分からぬ、、

 ただその眼光(ふと目が合う・・・と、、何をそのまるやかな鏡のなかに据えているのかが、とんと分からぬもの、そんな様子です)

 ただその立ち姿(あたしはここへきてはじめてときというものに惑わされなくなりました、あなたがかすかに揺れ、なおかつ静かであり続けるのを見つめながら思うのです)

 まさぐるようにしてそのくらやみを摑み、くらやみのなかでいきだけが静かに浮かび上がり、遊(ゆう)とはまるで真反対の(これはどういうことでしょう)、、言わばくらやみの自在に辿りついたあなたの、、

 ただに涼しい姿、、(わたしは一滴の水になり、あなたの鏡のなかへくだりたい・・・)

 朗らかさの真裏から、

 静かァな目をして映っているのは・・・、

 ただにはらなかのあたたまった流れ、なのでしょうか・・・、、