<490>「現と回転」

 昨日聞いた不可能ででもあるように、内緒を背負って、現在地を交換する毎日の、その回転であらせてくれ。

 聞いたことのない名、呼ぶ声。特にその、吐き出される眩暈は、いつかの煙となり、存在を隠して、なかったことにしてしまう。

 最初と終わりは一緒です。ならば間は、間は・・・。名もなき動きであるより、肯定も否定もない動きであるより仕方がないのでしょうか。

 諦めるにはまだ、内外へ運動が行き過ぎる。そのことを思うと、動かないでいましょう。動かないでいるのは、そうしたところで止まる訳がないのを、知っているからなのでしょうね。

 止まるにはただ、大きな力が必要だったそれはまた、今私が無理をするとか、しないとか、そんなことでは到底なかった。

 何ものをも、円滑にしないもの、それはきっとこの場面での涙だった。何ものにも関係しないだけ、純粋であると言いたがっている。

 立場、あっても、ないもの。少なくとも、この道にはないもの。感情や、調子を無視した回転を、半ばは尊敬している目だろうと言えた。

 今や、分からない速さだけがこの全体を襲う。戻るための苦悩であると、いくつかの理由から考えている。