<130>「気づかない方がいいが・・・」

 気付かない方が遠くまで歩ける、でも全く気付かない訳にはいかない、歩けなくなってしまう。であるから、気付かないでいるという「意識」を持たなければならない。それは、何か靄のなかにいるような気持ちだ、歩いていることが不思議になる、いや、歩いていないような気もする。つまり、歩いていないと思っている方がいいし、負担も軽いのだが、これはとても不安な作業だ、全く歩いていないのと同じではないかという意識が絶えず・・・。止まっていても進んでいてもどちらも同じだという地平に居た方がいいが、知らぬ間に歩いていなくなっているのではないかという不安が・・・。それにはおそらく終わりがない、また、なくていい。