<1199>「新しい人は照れる」

 冷たい水がかかり、

 ひとりで動揺していました・・・。

 えらく、えらく、遠いところの、

 不意の勢いが、

 いつまでも無垢の表情で見つめていましたから、

 静かにあたっていました、、

 このまま静かに・・・。

 第一声は物事の突発的なのを言い、

 明らかに速く駆けています、

 流れが続いてくると、

 これは細い音をさした、長い長い静止なのではないか、と、思う程です。

 この響きを聞き、静かに身を預けたままでいるうち、

 いつもの感じが起こり、

 ああ、こんなところは忘れた、

 と、ひとりで長く思うのでした。

 

 全く不案内のところに出、

 辺りに声をかけているままに、

 ふらっと浮かび、

 もう同じ身体を覚えることはない、

 と、なにやら後ろの方で、はっきり思うものがいて、

 強い印象を預けた日ではないけれども、

 あるまとまりから、

 なんだか‐だかの入れ換えを遂げた、、

 それで、誰か新しい人が、

 新しいという実感もないままに、

 ただ波を受けて、

 そこに立っているのでした。

 そこに立っているのはかつてと流れる音を異にしていました。

 

 そうして、きゅっ、きゅっ、

 きゅっ、

 と、ひとりで閉める音をさして、

 ちょうどその、空白を、

 呼び止めてここにひとつ流れを交わすのでした。

 遠方からのリズムは途切れ、

 全き身体の問題になって、すみやかに行きました。

 これはまた後ろの方に下がって静かに音をさして、眠るんです、

 あれからどんどんと湧き、溢れることで、

 隙間に絶えず話しかけているのでした、

 

 何だか、新しい人は照れていました。

 全く素直に照れていましたから、

 だって、まだわたしはここへ出たばっかりであるのに、

 もう随分と長い時間も前から、

 当たり前の目に見つめられていたんですから、

 すっかり見られていたんですから。

 そうして、沢山の感じを受けて、

 巧みに溢れていました。

 語らいたそうに、

 あなたは絶え間ない運動であるために、

 小さな隙間を、ひょんなことから見つけたのでした。

 それは新しい人を迎えるための、何か驚いた静止のようなところで、順当にここへ触れることができ、良かったのです。