<3007>「分からん、遅れの本質」

 分からん、

 分からんことが増えていく、、

 大人になった世界は、

 とってもあっけない、、

 そうか、

 こういう場所に立っていたのか、、

 楽しいけれどもね、

 意外とこんなもんか、というのを、

 ひとつひとつ確認する作業は、

 割合にさびしい、、

 そうして妙に落ち着いてくる、、

 

 分からんね、

 どうして人間というのはああ荒れるのだろう、、

 あたしも荒れているのかな、

 よく分からないけれど、、

 人間の荒れというものに、

 目が行くことが多くなってきたね、

 仕事があり、

 生活があり、

 遊びがあり、

 勉強があり、

 色事があり、、

 これ、

 ひとりのなかで起きていて、、

 普段はそれぞれ、

 全く何の関係もないような顔をしている、

 これだけでも、

 ひょっとしたら荒れるに足りるのかもしれないね、

 訳が分からなくなってしまうから、

 おれはどこにいるんだ、

 誰の、

 何をしているんだ、、

 であるからひとつひとつ、

 その対象に集中していくことしか、

 私には出来ない、

 

 遅れの本質は、

 初めてやることでも、

 妙に落ち着いてしまっていて、

 取り乱したりする感動が、ないというところにあるのかもしれない、

 まあ初めては初めてだけど、

 初めて感がないんだよな、

 経験していなかったのに、

 どこかで経験してきたかのような、

 しかしまあだからといって、

 やんなかったことを、

 そのままやらずに済ます訳にもいかないからさ、

 淡々とやるんだけれども、

 

 何かひとつのことが気掛かりなだけでは、

 緊張しないということが分かってきて、

 緊張しているときは、大抵、

 複数の物事が混ざり合って同時に気になっている、

 不安はますます増すもの、と森田正馬さんは言う、、

 多分あそこを越えたら、もう安心とかもないのだと思うよね・・・

<3006>「からだたのしい、からだあばれていよう」

 私は把握するのみで、、

 うん、

 あたしたちが、

 からだがこんなだから、

 しずかに、

 だまって入っていく、ということで、

 しずかに良いとおもえるよね、、

 からだたのしい、

 からだまだ泡のなかで、、

 回転して、

 しずかに楽しい、、

 

 ねえ、

 今一番緊張することをしよう、、

 どうなるか分からなくて、

 心底こわいことを、、

 からだの先に向かい、

 私はこわいことを、

 ひとつひとつ掴んでいく、

 こわいことの先には、

 何かがありますよ、、

 あ、

 入ってみれば大したことはなかった、

 もっとも、

 そこはただ、

 楽しくて仕方のないところだった、、

 からだを使う、

 からだは遊び、、

 何事か、

 あなた何事かと言い、、

 あたしも知り、

 あたしもただわずかな液を、

 それぞれに含めて、、

 あたしは無限のこわさ、

 無限の粒のこわさに、

 しずかに入っていきます、、

 

 あたしからだあばれていよう、、

 からだしずかに、

 さいて、さいていよう、、

 お前のそのメッセージ、、

 いくつもに分かれて、

 私が知ることになる、、

 からだのなかのメッセージ、、

 私はふくらみ、、

 同じ日々のなか、

 同じかたまりのなかへ、、

 しずかに混ざれからだ、

 からだ混ざりだす、

 さわぎに、化物、

 化物混ざり出すからだ、夕べ、

 夕べの軽やかな、

 どこからどこをきいているのか、、

 簡単には分からないながら、

 見出し、、

 ひねり出すからだ・・・

<3005>「手がふるえる、こわいもののなかで」

 ただ浮かぶ、

 まだからだのなかに浮かぶ、

 等しい化物、

 あなたは書き、

 あなたは去り、、

 あなたは点滅の行方、、

 どこかさびしい呼吸が、

 今私を新しくしている、、

 今私を新しくするもの、

 先に進むと決めさせるもの、

 それは本気の人、、

 本気であることが伝わるのが、

 何より大事、、

 私は拙いとか、

 経験がないとかを、

 巧みな言い訳に使う自分を発見する、

 

 私は先に進むだけだ、

 先に進むとき、

 今は拙いとか、

 今は経験がないとかは、

 関係がない、

 なぜならそれが当たり前だからだ、

 滑稽だろう、

 みっともないだろう、、

 それはしかし当たり前のことだ、、

 その、

 滑稽なこととか、

 みっともないこととかを、

 経過していかない限り、、

 あたしは先へは進めない、、

 あたしは先へ進みたい、

 こんなにも緊張で手がふるえる、、

 手がふるえていなければ、

 あなたに振動が伝わらない、

 振動を伝える必要がある、、

 こわいことをやる必要がある、、

 

 別に、とか、

 そんなに、とか、、

 本気のことに対しては、

 そういうごまかしの言葉をはくのはやめよう、、

 そうですよ、

 私はあなたのことが知りたくてしょうがない、

 私はふるえてしょうがない、

 もう、

 そこに対して嘘をつかない、、

 そこに対して、

 まっすぐに身体を出していく、、

 ここから駆け出してしまいたいと思うまま、

 ここにとどまっている、、

 ここにからだの全てを置いていく、、

 あなたは力だ、

 私が思う以上に、、

 私が忘れてきたものを、

 いくつもいくつも思い出す・・・

<3004>「からだを込める」

 ええ、

 あたしは真剣に取りに行きます、、

 こんなに真剣に、

 ものを取りに行こうとしている、

 これは初めてじゃないかしら、、

 私はそんな気がする、、

 相手を騙すためでもなく、

 ふざけて遊ぶためでもなく、、

 本当につながるべく、

 という、

 考えに入ると、

 不思議に落ち着いてくる、

 真剣になると、

 しずかにならざるを得ない、、

 

 あたしはからだのなかに入り、、

 からだのなかから応答を待ち、

 しずかにしずかに、

 からだに関係のあるものを集め、、

 私はひっくり返る、、

 からだが次々に、

 この平面に生まれ、、

 ここからさらにさきへかえる、、

 ここから膨らみ、

 まだ、

 きいたことのない場所へ、、

 しずかにかえる、、

 しずかにかえったものがここ、

 からだのはしから、

 あなたを捉えて、、

 あなたはただ目をひらき、

 私はしずかに見つめ返す、、

 私はそれだけのことに、

 からだのすべてを込める、、

 あたしにはいくつもの、

 からだの流れ、

 それもまた、

 すべてひとつに集まれ、、

 あたしがここで手をするから、

 あたしはひとつひとつ、、

 パーツをあたらしくしていくから、、

 からだが大人になり、

 より多く水を含み、、

 しずかに、

 あなたのなかを駆けている、、

 

 いえいえ、

 あたし、

 つまり水がなく、、

 水がかたまり、

 あたしの記憶もなにもかも、

 そうして奥の方で掬ったあと、、

 私も走りますから、

 からだ全体で、

 そこへ生まれなおしますからねと、

 ひとつの声をかけてくれる・・・

<3003>「作業のなかに人が生まれること」

 ものが、

 ひとりの身体のなかに、起きて、

 さあ、

 はやくはやくと、

 あなたの方こそはやく、

 はやくこちらへと、

 招んでいる、、

 どこかからあふれる、、

 まるでからだのしたから、

 あなたがしずかにあふれてくるイメージを、、

 人は知らずにもつ、

 人は重なる、、

 

 人はあたらしい記憶、、

 人はしずかに光線、

 からだにみたひとつの時間、、

 うるさい出来事、、

 からまる出来事、、

 私がさきに見た、、

 しずかな出来事を、

 あなたは経過した、、

 あなたはひとつの身体になって、

 まともに経過した、

 しずかに住んで、、

 しずかに水をおし、

 からだは生んだ、

 からだは生んだだけ、

 意味を考えれば、

 あまりに多すぎる、、

 あまりに多すぎる情報に、

 少しだけ意味を含ませ、

 身体を含ませ、

 あなたは叫んでいく、、

 あなたは遠くなっていく、

 あなたは転げていく、、

 ものがからまり、

 あたしのさぎょうのなかに、

 人が生まれること、

 こんなからだのかたちで、

 こんなものめずらしい視線で、

 あたしはどこか惑いながら、

 もの、からだ、化物として、、

 線におりてくる、、

 線におりてきたなあなたたち、、

 化物の興奮が伝わる、、

 

 あたしは形になり、

 形に会い、

 形にもどりながら、、

 からだのまえ、

 からだのうしろに、、

 ものを届かせる、、

 ものが楽々届く、、

 軽々と生まれる、

 この、

 境界のなかに、、

 あなたを指して・・・

<3002>「どこまでもどこまでも生き物の匂い」

 水や、命にかかわるものが、

 少しも出なくなり、、

 私は、

 ひとつの展示となる、、

 展示いやそうか、

 あなたが内側から確認する、

 大人になるということを、

 少し延長してきてしまったが、

 さて、なる段になると、、

 ここは、

 少しこわく、

 楽しく、

 あまりにも静かだ、、

 

 あまりにも簡単に、

 私は大人の人間として招ばれ、、

 そして、

 色気づく、、

 私は自分が性であることを、

 今までは信じていなかったといってもいい、

 でも、

 もう色気づいてしまった、、

 これはあとにはもどれない道、、

 あたしはあまりに簡単に、

 そんな場所へ出た、、

 そんな場所から、

 複数人に及ぶ、、

 わたしは接触であり、

 その接触のなかで、

 秘密を解き、、

 また新たな秘密を持ち帰り、

 今、

 はじまってしまった生のなかで、、

 私は泡立っている、、

 

 どこまでもどこまでも生き物の匂い、

 ぺちゃぺちゃと、、

 からだをふんで、、

 からだを全て含み終えてしまって、

 どこまでもどこまでも歓喜の世界、、

 大きな秘密を捨て、

 ただただむさぼるように、

 生き始める世界、、

 あたしはなんだ、、

 あたしはこんな興奮のさなかに、

 まっすぐ出始めるつもりなのか、、

 いくらも集まる、、

 このからだの泡から、、

 自己をまた再確認していくつもりなのか、、

 なああなたは、

 匂いのもと、、

 どこからどうみても匂い、、

 私はそれに反応する、

 私はそれに紛れる、、

 あなたの肌にすぐ集まって、、

 まぎれていく匂い・・・

<3001>「さびしさ、こわい、暗さ、存在意識」

 私はさびしさかもしれない、

 私は、

 当たり前の喜びにかかわる、

 ひとりの人間であれて、

 うれしさかもしれない、

 よくきこえる、、

 私には、

 私の存在の平面が、

 静かに振動する音が、、

 

 不安と、緊張で、

 ずっとふるえている、、

 でもそれでいい、

 私には欲しいものがある、

 私には掴みたいものがある、、

 そういうとき、

 こわがったり、

 ふるえていたりするのは、

 当たり前のことなので、

 そのままでいい、

 私は、

 ずっとこわくて、

 ふれられなかったものにふれようとしている、

 のがれたくて仕方なかったものも、

 別に、

 こわいままではあるけど、

 一生懸命のがれなければならないものでもなくなっている、

 私の中で、

 現実は、

 接触可能なものとなっている、、

 

 あなたには暗い生命、

 生命は暗い、、

 私は、

 私がいないところでも存在している、、

 存在していることが、

 不思議によく分からない、、

 ただ、、

 私はひとつひとつ物を重ねることができる、、

 そのことに対して、

 暗く閉じてしまう必要はないということ、

 特別明るくなくてもいいけれど、、

 

 自然に身体が流れる、

 今あなたの身体、声に対して、、

 自然に私は像を結ぶ、

 あたしは声のはじまりに、、

 あなたの存在を意識した、、

 意識された、

 存在のあなた、、

 私は短い記憶、

 僅かな粒、

 そういうものから、、

 からだにつながる、

 物語を引っ張ってきて、、

 いま、

 腹部に巻きつけて、

 わずかに歌っている・・・