<2122>「初めての線、内外の」

 あ、またおそろしい、、

 次から次へと線はのびて、

 ここにいて、

 わたしはふるえる、、

 そんな時刻へむやみに出てくるものではないよ、という、、

 ひとつの声をききながら、

 あたしは生まれたままになっている、、

 生まれたままの時刻をそっくりきいている、

 身体は変わる、

 それを、そのままきいていたので、

 私は続々と潜り、

 ここに時刻の新しさを、、

 考えつついる、

 

 内外の通り、

 私は液をする、、

 液から両方に分かれて、、

 しらせきく姿の、

 ものごとはやや驚きであると、、

 あなたはその姿で言う、

 やっぱりそうでしょう、、

 私もいくらかは分かるけれど、、

 なにだか絡まって、

 時刻のなかに泡があり、

 ころげ、、

 また複数のながれで来る、、

 いちいちを泡に挟み、、

 ア、

 たしかにあれは振動だ、

 まともな時刻に紛れる、、

 ひとつのうたいなのだ、

 と、

 あなたは言葉をする、、

 その残響が今も、

 私はその姿を見た、、

 振るう、

 そのはたの出来事、、

 いくつも風景を畳みながら、、

 私がそこにいたことを、、

 しずかに知らせる、

 

 あ、

 もののもつ、、

 いくつもの姿勢へ来て、はじめて、、

 あたしは水の流れにそうことが出来た、、

 生まれ始めているのかもしれない、

 線を持って、

 時刻になって、、

 ここへ、順に、、

 きこえはじめているだけなのかもしれない、、

 私はふたをし、

 身体のなかにあずけた、

 いくつかの辺を、、

 もっとねつがあるものと思っていたが、

 必ずしも、そうではないと分かる、、

 一日のはしのところで・・・

<2121>「増殖する肌の夢」

 にじむヒのはた、

 あたしが声をしたから、、

 いつもの場所で、

 そうして、

 ア、

 静かなジ、ねつの動きだ、

 かたくなだったり、

 育ったりする、、

 それぞれの動きだ、、

 あたしはこのモオドのなか、

 切り出して、回転した、

 形など、次々に来る、、

 揺らぎなど、ふるえて来る、、

 ひとつ増えてくる、、

 ぞうわ、

 ぞうわ、と、、

 もののさなかへあなたの垂れる、、

 

 身体のなか、すみ、、

 ア、

 持っている線がどこまでも走り出して、、

 私は驚く、、

 こんなところまで揺るぎながら、

 あなたは来たのですね、、

 私は、白い時刻を知り、

 言葉のなかで始まる、、

 時間の姿を、

 それはゆっくりと、見つめていた、、

 ア、

 身体が今そろって、、

 この方角へ向かう、

 私は数を知っている、、

 私はうたを、、

 

 しんから伝うのがこのハなのか、、

 誰なのか、

 私は、

 振動を次々に受けながら、、

 ここへ来る、

 つながるその様子が、、

 私にはまだ新しく、

 次から次へ、、

 身体はあたたまっていく、

 ア、

 次の道の類い、

 えて、しみる、、よそうの線を、、

 私はふらりとし、、

 むしているあのなかへ帰るとし、

 ここは果たして同じ場所だろうか、、

 時刻のさなかに、

 それぞれの仕草、

 沈黙の仕方を思い出し、、

 私はここに身体が溶けるままにしておきましたよ、、

 はじまるから、、

 どこに行くのか分からない低速な、

 この泡のわきたちのなかにいくから・・・

<2120>「ひきこもりの(は)問題?」

 ひきこもりの人がどうしてこんなに多いのでしょう。

 という問いを、ポンッと放り投げられて、

 正直、私は何も分からないな、と言った。

 なにか分かれば解決に寄与できるのかもわからないが、

 解決すべき問題なのかもわからない。

 

 50年以上ひきこもっていた人のニュースを見たんです。

 だから、ちょっときいてみたかったんです。

 そういうことで、訊かれた。

 私はそこでそのニュースを初めて伝え聞いた。

 私は、家族というものがそうなるのをどこか深いところで知っていると思い、

 とはいっても全く断絶されるという状況は知らない、と思った。

 

 私は専門的な知識はないので、自身の経験に照らすことしかできないが、

 その場所で感じることは、

 家族が家族だけで閉じて、まったくパブリックというものを必要とせず、そこで自足する経験というのは、異常な濃さを持ち、ひどく豊かであるということで、

 一方で、パブリックがないということにじりじりとした焦りや苛立ちが沸き立ってくる、非常に危うい場所でもある、ということなのだ。

 

 私は、興味を抱くものの性質上(主に文字というか)、延々とひきこもっていられる感性を持っている。

 一方で、家族の、家族を形成しつつある人の、パブリックのなさに、ひどくとまどいを覚える人間でもある。

 

 例えば家族で遊びに行く、友達同士で遊びに行く。

 そこで、関係のない第三者に話しかけられれば、そこにはほんのひととき、別の時間が起動して、交流が生まれる。

 それが非常に満足のいくもの、いかないものであるにかかわらず。

 ところが、この別時の起動自体を認めないというか、家族なら家族、友達同士なら友達同士で、私的な時間にとどまって、その別時がひらくことをよしとしない人の所作をよく見留めて、私はそういうときにとまどう。

 パブリックがないのだ。

 

 ひきこもりの問題は、私にとっては、個人が責任を果たしていないとか、逃げているとかいう次元で展開されるものではない。

 パブリックが全くなくても人間が成立し、

 そこには奇妙なくらいの豊かさと濃さが成立し、

 何も問題がないように見えるし、

 私は家族がそこまでいけるのを知っている。

 しかし、パブリックが全くなくある身体というものへのとまどい、

 その不思議、

 その不可解へと思考は滑っていく。

 なぜ、私的なもの以外には声をかけないのか。

 という、人間の、家族の問題が、

 その豊かさと豊かさゆえの影の濃さみたいなものが、

 問題の真ん中にあるような気がしている。

<2119>「内感へ、運ばれる汗と複数」

 自があれば、

 その場へはっきりとひらくのに、

 私は内感のなかに行き、

 ここの通りの声をきく、、

 あたしはすべての物事に浮かんで、

 ジへ、まっすぐに帰る、

 浮かぶヒのあなた、、

 声はどこまでも通るのに、

 次々にさまよう身体の様子、、

 私は晴れているだけで、

 どこにもいかない、、

 複数の汗をかく、

 複数のヒのかげりを知る、、

 

 内感のなかにはまた手だ、

 浮かんでは消える、、

 また泡がついて、

 すらすらと流れていくものだが、

 あたしはまた朝に生まれる、

 ナ、

 くわえていくな、

 形だな、、

 ものが次々に打つのだが、、

 装いからかけて、、

 ヒはあたらしく過ぎる、、

 もののとおい姿から、

 ここへ招ばれる、、

 うそ、

 回転やら、

 匂いが運ばれる、

 日々、

 いのちの伝い、、

 わたしは装いのなかでここを知り、、

 また、

 静かな水へ戻る、、

 静かなヒのなかへ戻る、、

 余計に生まれて、

 ヒが静かにかげってくる、、

 私は新しく、

 このしびれちの姿にかえる、、

 姿をかえる、、

 あたしはどこまでも低音部分を拡大させる、

 ヒがはいってくる、

 

 姿のなかで生まれ、、

 ジにたまり、動き、

 もぞもぞとする、、

 私は垂れてくる、

 存在のなかへ生まれてくる、、

 静かに水を見て、

 ア、

 ここが拠点なのだと感じる、、

 ウン、

 ヒの仕草なのだと感じる、

 今の姿、、

 私は膨らんで、、

 しっとりとしたみるもののなかへはいる・・・

<2118>「風とあなた」

 風と あなたしかいない

 そういう場所に立って

 私は ここはどこだろうと言う

 生きている人の それぞれの 懸案事項が 揺れが あるはずなのにね

 ここには 風と あなたしかいない

 ただやわらかくあたたかく

 地の底を吹く風によって

 ひとりの私とあなたが

 夢のように眠らされる

 私たちは甘い場所で会いすぎた

 ここにいつまでもいると、きっと時間がなくなりそうです。

 だから、時間へ戻りましょう。

 この風の時刻は 別時として取っておきましょう。

 私はここと、ひとつの匂いで繋がっている

 。

<2117>「んむ、色、信号」

 あたしは身体のなかへ来て、

 静かに風のなかの存在へ、

 静かにこの星のはじまりへ、

 ン、

 ンむ、

 なにか信号、

 そっとはてから来て、

 私は体温、

 私は次から次へ、、

 身体のなかに生まれる、

 記憶が、そこに新しくなって、、

 姿形へ、

 いつもの姿で声を掛ける、、

 

 私は、いつも、

 新しい皮膚を持っていた、、

 どんな景色だろうと、、

 このような線はいくつも吸収し、、

 私は光る、

 どこかから風を取り込み、、

 私は流れる、、

 しずかな液もくれた、

 迷いのなかのヒも出、、

 まぎれるだけまぎれて過ぎる時刻の、

 その音、

 その色、、

 私は空間へ浮かぶようにして、

 ここを知る、

 嘘が液みたいで、

 液が嘘みたいだ、、

 二重に生まれて、

 ひとつずつの身体で、

 私は過ごし、、

 身体から身体へ、、

 複数で過ごし、、

 揺れるヒのなかに、

 あたしの旗が、、

 軽やかな才が、

 私は信号を見る、、

 なにだ、

 フ、ん、

 ここに熱を持って、

 

 あたしは装いのそのなかで、

 順に回転し、

 順に始まり、、

 もののみごとにその光景のなかに出てくる、、

 その姿を見ている、

 ア、

 なんとあたりまえに跳ねた、、

 この時刻なのだろうね、、

 いまちゅうおうにいて、

 このあたたかさなのだろうね、、

 ト、

 身体に順に声をかける、

 人が過ぎていく・・・

<2116>「生まれた身体をかわかす」

 地が揺れる、

 私に声を託したまま、

 それは回転の方途、、

 それは動き、

 はばたき、、

 身体のなかでまわる、、

 ひとつの声の場所、

 あたしは過ぎ去り、、

 なにだ、

 ひとつの点から点へ、

 物事の様子が続く、、

 身体はそばに見えている、、

 私は揺らぐ、

 致命的な時日を忍ばせて、

 ここにきこえる、、

 

 身体が便りを告げて、

 もののなかを見せ、、

 あたしはああそうか、と、、

 ひとり合点する、、

 この物事はどこからも、

 本当にどこからも自由に、、

 そしてはなのなかへ、

 ごくあたりまえの姿をして、まざり、、

 揺れてよろこぶ、

 ああこんなところにいた、

 こんなところまで来たのかと、、

 私の方を向き、

 言葉をかける、、

 ア、

 知らず知らず花が咲き、、

 私はそのなかで手になる、

 身体になる、

 全ての印になる、、

 

 どこからか生まれて、

 長い月日に静かに触れ、、

 声を場所へ畳み込み、

 様子へ、様子へ動いていくさま、

 今何を告げる、

 身体は順番に回転し、、

 今何の景色を告げている、

 はれてみる、、

 出来るだけ、身体に近いところで、、

 静かに生まれてみる、

 諸方へひらく時日、、

 私は遠ざかり、

 言葉を手にする、、

 もののさいしょの行方に、

 私は肌を合わす、、

 静かに眠っている時刻に、、

 生まれたら身体をかわかす、、

 ひとつふたつときこえたら、

 私は同じ姿でいよう、、

 どこからきたのか、

 この物事達、

 私はさらさらと流れるだけになる・・・