<2976>「そうか、俺は上手いんだな、悲しいな」

 あ、

 明確に、

 私を作っているものが、

 入れ替わったな、

 私は私のままなのに、

 すっかり別の人になった、

 と感じることがある、、

 今まで慣れてきた、考えや、

 環境との共同作業で立ち上げた、気分や、

 感覚や、

 その他諸々が、更新されている、、

 出始めは、当然さびしい、、

 もうあの頃の私は居ない、、

 慣れると、

 そいつがまた自分になる、、

 こいつ以外では、

 俺はあり得なかったぞ、というように、、

 

 俺は何をしている、、

 俺はからだに語り、

 からだはただちに泡を立てる、、

 私がありたい変化を見、

 そこに行くまでには、

 想像とくらべ、

 ラグがある、

 その遅れの波にゆっくり乗ること、、

 うん、、

 水の方向がゆっくり変わる、、

 

 友達と、

 家族のことについて話していたとき、

 あ、

 私が結婚についておどろくほど何も思わないのは、

 親の影響が大きいと思っていたのが、

 実は自己の素質によるところが大きいのだと気がついた、

 というのも、

 私と同じような家庭状況にあった友達は、

 結婚について全く異なった考えを持っていたからなのだ、、

 私は現実と微妙にずれた場所を、

 あまりに小さい頃から持っている、

 父親が過剰なまでの怯え方を、

 私は何もおどしも反抗もしないのに、

 これほどかというほどおびえた態度を取っていたのは、

 そういう訳だったか、、

 

 まったく人を好きではないかもしれないというのは、

 つらいことです、

 つらいことですが、、

 また、

 跳ねっ返しの運動、

 そういったコンプレックスから来る、

 物事を上達させるという方向は、

 だから上手いということのなかに、

 とてつもなく大きな悲しみを含んでいます、

 そうか、おれはうまいんだよな、というとき、

 とても悲しい気がします・・・