<2866>「無数の皮膚や記憶を通過する光量へ」

 はしゃいだり、

 ふさいだりするもの、

 それらにまたがり、

 少し奥で、

 ただそれらを見つめる、、

 ただ見つめながら、

 意地でも進める、、

 黙って進める、

 そんな存在の核を、、

 求めることができるだろうか、、

 いいや、

 求めずとも、

 あたしはそういうものを、持っていると思う、

 持ってしまっていると思う、

 

 そしてそういうくらい、

 かなしみでも、すらない核を、

 持ってしまうことはひとつのうしろめたさだった、

 しかし、

 人間である以上、

 そういった

 よろこびともかなしみともかかわりのない部分が、

 誰にでもあることが、

 だんだんに了解されてくる、

 そうすると、、

 まあだましだましの、

 どっこいどっこいの、

 そういうものだとおもわれて、

 少しひらいてくる、

 まず閉じなさい、

 そうすればひらくといわれたことが、

 少しずつ了解されてくる、、

 

 あたしの皮膚のなかの水が走れ、、

 それは層を掬い、、

 自然に下方へ、

 あちこちへ、

 ばらまかれていく、、

 あたしは水をさわり、

 しずかな記憶のなかの小片がそれに溶け、

 染み出して、、

 ひとつの紋様になった地域へ、、

 姿もまたあるのです、、

 無数の人の層が、

 その地の記憶や皮膚をつくっている、、

 私はその上を通過する、

 僅かな光量だった、、

 光量は奥、

 奥での変更を望み、、

 あなたがここ、

 この現在地を捨てよう捨てようとした、はじまりから、

 いいえ、

 そういった核をもって、

 むしろ光のなかざまへ、

 まっすぐに出てくるのですと、、

 告げている声に全身がくぐるようだ・・・