<2784>「あたしは熱に耐えてゆく、運ばれてゆく」

 ただの映像が、、

 いま、

 あきらかな異様さとして浮かび上がる、、

 私はそれを見つめ、

 しばらく倒れてしまう、、

 この異様を握り締めてでなければ、

 決して届かない場所だった、という理解と、、

 そのくらみは同時に来、

 身体は他者だ、

 私が生きているということは、

 他者と生きることだ、

 たとえたったひとりであったとしても、

 と思うことになる、

 

 あたしは静かに身体を押していく、

 これがどこへ出るか分からなくとも、、

 黙って、、

 そうしたら、

 異様さは深まるだろう、、

 深まった異様さに対し、

 やけに穏やかであること、

 そのことが不気味で、

 そのことによってしか、

 遠くへは運ばれないだろうという確信もあり、、

 これは、

 火の吹かない化物だ、、

 自身が化物であることに耐えていくのは、

 あまり気持ちの良いものではない、、

 しかし、

 何故かは分からない、

 それ以外の道を提案されたら、

 命懸けで拒否を始めるだろうことは分かる、、

 それが核ということだろうか、、

 このものは静かだ、、

 あたしは人々のなかにどう触ったらいいかが分からないという、

 ひとつの困惑を見る、、

 それはそうだろう、、

 あたしだって日常の隙間に、

 このものの異常性に打たれて、

 しばらく倒れてしまうこともあるのだから・・・

 

 あたしは、

 様々のことを犠牲にしてきたと捉えようとしても、

 必ずそれに失敗する、、

 犠牲にするためには、

 まずその諸々に対し、

 可能性がそもそもなければならないからだ、、

 しかし、

 一般的に見て捨てているとしか思われないものものは、

 はなから可能性として、

 私のなかに存在しなかったものと言わねばならない、、

 私はただ、

 からだに残る、

 はじめから存する、

 僅かで、

 しかし異様な熱を持ったものを、

 ここまで持ち来っただけなのだ・・・