<2742>「全水量で来る」

 間近に身体の空白を用意する、

 あたしは、そのなかで、、

 ひとつの成分になって、

 浮いていることと、思う、、

 あたしは、まだ、、

 ここのさわぎと、ひとつになって、

 それぞれの、からだのはだのしかた、

 もののみえかたに、

 ひとり、混ざる、、

 なぜかあなたが見ている、、

 その硬直から、

 あなたは見ている、、

 不自然に、かたまっている、、

 

 わたしは揺りをなそうか、

 原イメージのあなた、

 あなたは全て溶けてでるわけにいかない、、

 だってお前は受け止めないだろう、

 たしかにそうだ、、

 あなたが全水量となり、、

 私の上に、

 まっさかさまに降り注ごうと、するものなら、

 あたしは平気で二歩三歩、横に、、

 後ろに、下がってしまう、、

 こんなものはいらないとでもいうように、

 平然として、、

 だとすると、

 あなたが硬直しきっていることについて、、

 何も言えまい、

 原イメージへ向けて、

 華麗に流れ出るあなたが見てみたいなどとは、

 口が裂けても言えまい、、

 私は、おそらく、

 はらのなかで感じる、、

 この、

 決めた存在には、

 全水量で流れ込んでいこうと考える、、

 その情念を、

 おそろしく、

 また、

 忌まわしく、

 思ったに違いがない、、

 

 こうしてみると、

 平然と、

 この全水量を避けるわたしの仕草は、

 あなたの硬直より、

 よほどこわい人間の態度ではないでしょうか、、

 どうしてあなたは応えないの、

 どうしてもっとあなたは寄ってきてくれないの、、

 この、

 有声無声の表現は、、

 忘れようとして、、

 あたしの肌の裏にきっちりと結ばれていて、どうにもならない、、

 あたしは、自分のこわさを忘れて、、

 しずかにこわがっている・・・