あたしは簡単にこの場所へ出たのだろうか、、
う、
どうでしょう、、
はっきりとしたことは分からない、、
そう、
例えばあの人は悲しがっていないのかも分からない、
私は存在している、
しかし、
存在していないという仮定で、、
物事に対する一応の答えを、
いくつも持っていることに、
たまに驚く、、
曰く、
私は存在しないはずであるのに、、
何故愛されたりするのだろう、と、、
私は、
愛してくれる人を否認するのではなく、
その矢印の先の私の、
存在を否認する、、
私はいないのだ、
それをあなたも思い出してください、
とでも言うように、、
そうか、私はいないのか、
いないと感じ始めたのはどこぐらいからですか、
そうですね、
小さい頃、
川のそばをひとりで歩き始めた頃から、、
小さな転校生、
またすぐ越してしまって、
おそらくほとんどの人の記憶にも残っていない転校生、、
あなたはその不在性によって、、
私と近かった、、
私と近しい者に感じられた、、
私たちは、存在しないから、、
この、
まにあわせの何もない、、
がらんとした、
薄暗い家でふたり、、
息を潜めて、、
どこかにいるはずの大人の、不安の膜の中で、、
お互いのお気に入りの、
カードゲームのカードやらを、
眺めているのですね、、
お帰り、今日はどうだった、、
私は、
私が存在していないことを、、
いよいよ強く、確かめることになりました、
などということを、
どうして言えたろう、、
こんな、
種をどうして明かし得よう、、
あなたは私を愛する人か、
ならばやめなさい、、
私は存在しないのですから・・・