<2618>「誰もいない道に、実がこぼれて」

 なかにはてのない声があるの、

 あたしは見ていて、、

 すぐに、

 流れを見るの、、

 あたしはそこに浸してあるの、、

 ほら、そこに手を置いて、

 あなたが見えているのよ、、

 これはどこまでもふくらむ、

 これはどこまでも響きになる、、

 あなたが今、それを誘い、

 私に向かいかける、、

 あたしは声をしてしまう、、

 あたしはふくらんだ先で流れてしまう、、

 

 そのさまを見て、、

 ひとりふやけて、

 無数の光がおおう、、

 あたしはそのなか、

 その点滅のなか、、

 夢を見ていた、

 どこへ行くとも知れず、、

 ただ、

 方向だけを頼りに、

 力の限り歩いていた、、

 それは、歩み出せると感得するため、

 私の足を作るため、

 私は、夜に、

 誰もいない道を歩いていた、、

 道に、誰もいないのも、

 歩いていて不思議だった、

 あたしは、

 時間を作ろうとしていた、、

 あたしが入り、

 生きるに値する時間を、、

 いっこの実が出て、

 はじけて、、

 強烈な、生の残りを垂らして、、

 私のほうけた口に、

 おおかたおさまって、、

 あたしは、

 この味覚のなかに、

 夢の続きを映す、、

 

 あたしはどこへ来たのだろう、、

 今にふらついて、

 あたしの足が、そこらを踏みしめて、

 揺れて、揺らいで、、

 今そこらあたりの香りの、

 なかへ順番に、来たのだろう、、

 もみこまれて、、

 いちど、ほぐれて、、

 あたしの声もなにもかも、、

 ひとつのやすらぎに、入り、、

 また空気と触れていく、

 その集まりのなかに、

 あたりまえにいます・・・