池袋シネマ・ロサで映画『わかりません』を見てきました。素晴らしかった。
この方のブログを読んで、どうしても見たいと思いました。
以下、感想と言うか紹介と言うか、書き殴りを。
この映画では、大きな事件ひとつ起こる訳じゃない。
でも、現実の些細な場面の、そのひとつひとつがとても切実で、目が離せなくて。
ここで生きていることが一体なんなのかよく分からなくて、これで良いのか良くないのかどうかもよく分からなくて、これがどこに続いているのかも分からなくて。
こんなことしてて、一体どうなるというのか。
でも、絶対に役者だけは手放さない。
何で、どうして、どうしても手放せないのか、それは、分からないんだ。
別に、夢を追いかけている訳ではないのだと思う。
だって、これが、今のここがどうしてもの現実で、これ以外の現実は考えられなくて、でも、当たり前だけど社会は、その自分の気持ちに沿って作られている訳ではないから、いろいろなところで傷を負う。
じゃあ、役者という現実を手放して、そういった傷を負わない現実にすっと移ったらいいではないか、と思ったりもする。でも、そんなものは現実でも何でもないんだ。
だから、役者という現実は、死ぬまで手放せない。でも、役者という現実を何故手放せないか。それは、やっぱり分からないんだ。
そういう分からないものに引っ張られて、訳も分からず、とりあえず今ここまで来てしまっているという、その分からなさの不思議が、はっきりと分かり過ぎて、胸が一杯になり、苦しいのか、嬉しいのか、悲しいのか、楽しいのか、よく分からないまま泣いていた。
分からない、分からないなあ。
どうしてこういうものに引っ張られて、死ぬまで離せないのだろう。
でも今ここに居て、あなたも私も生きているじゃないか。
だから今を笑っていけばいいんだ、分からないけど。
本当に素晴らしい映画でした。