<2245>「種と朝」

 種は、ひとりで終わりを待っている。

 私は、夜を担いでいく。

 種は、種で、終わりを待っている。

 ちょっと。

 ちょっと。

 種は、待ってくれないか。

 同じ朝のために。

 ・・・

 同じ朝のために、もう一度だけ、待ってくれないか。

 そして、

 もう一度生まれてくれないか。

 一度だけの朝のために、また、

 私を、落としてくれないか。

 そうしたらまた夜を担いでいく。

 終わりを待っている、あなたのために。