<2236>「私が欲しいのは」

 私が欲しいのは、

 それがのちに夢に変わる時間で

 私が欲しいのは、

 現実の隙間、

 こんな場所で生きていたとは思えないところ、

 私が欲しいのは、

 ただの柔らかい風で、

 この風があれば

 もう人の呼吸は聞こえなくてもいい、

 この風があれば、

 私は半分、

 生きていなくてもいい

 私はその半分、

 生きていなくてもいい

 私が欲しいのは、

 その風があるところ